■ついつい言いがち! 文脈によってはハラスメントに
◆「あなたのためを思って言っているのよ……」
文脈例・「(出世に影響するから)2人目の出産を控えて」「(過剰ノルマを与えたうえで)もっと成果を上げなさい」
──パワハラ・セクハラ(マタハラ)にあたる。
◆「期待しているんだから……」
文脈例・「もっと頑張って、営業成績をあげないとダメよ」「あなたならもっとできる」「あなたにしかできない仕事なのよ」(いずれも過重労働を強いたうえで)
──パワハラにあたる。
■文脈に関係なくセクハラに!
◆「(男性上司からのセクハラについて)少しぐらい我慢しなさい。私も含め先輩女性たちはみんな、そういうのに耐えてきたの。しかたがないのよ……」
→間接的に女性上司から女性部下へのセクハラになる。
(奥田さんへの取材をもとに編集部で作成。上記の2つは励ましているように聞こえるが……)
お話を聞いたのは
奥田祥子さん 近畿大学教授・ジャーナリスト。パワハラ・セクハラや女性登用、男性の生きづらさなどのテーマに取り組む。『社会的うつ』(晃洋書房)『「女性活躍」に翻弄される人びと』(光文社)『男性漂流』(講談社)ほか著書多数
明石順平弁護士 鳳法律事務所所属。主に労働事件や消費者被害事件を担当している。ブラック企業被害対策弁護団の事務局長も務める。著書に『アベノミクスによろしく』(集英社)『キリギリスの年金』(朝日新聞出版)など多数
《取材・文/アケミン》