美しさをキープしつつ、体調も万全にするため、芸能人は独自の健康法を実践している。だが、中にはストイックすぎて逆効果なものも。高脂質しか食べない『脂ダイエット』を明かしたのは人気芸人・かまいたちの山内健司。脂ってダイエットと真逆のイメージがあるけれど……。専門家が健康に“イイ”“悪い”を判断します!
脂ダイエット、
やめたほうがいいのはこんな人!
「2か月で10キロやせた。断食やウォーキング、どんなダイエットも面倒で続かなかったのに」
そう話すのは、かまいたちの山内健司。2月20日に放送された『メレンゲの気持ち』(日テレ系)で、驚きのダイエット法について明かした。
その名もズバリ“脂ダイエット”。
やり方は決められた食品を食べるだけといたってシンプル。激しい運動をする必要もなければ、空腹も我慢しなくてもいいという。
食べるだけでやせられるなんて……そんなにおいしい話があるのか─。
このダイエットのポイントは2つ。
1つ目は肉類や魚類、卵といった高タンパクな食品をより多く食べること。
「高カロリーのため、ダイエットには不向きとされているチーズや生クリーム、アボカドも食べていいんです。霜降りのステーキや焼き肉ももちろんOK」(健康ライター)
脂質をエネルギーにかえることで、やせやすい身体をつくるというのだ。
だが、管理栄養士の森由香子さんがこう指摘する。
「年齢問わず、LDL(悪玉)コレステロールの数値が高めと診断された人はやめたほうがいいでしょう」
脂質の多い食品の食べすぎは、健康にとって逆効果になる可能性が高いのだ。
コレステロールは肉の脂やバター、生クリームなどの乳製品に多く含まれている。たくさん食べれば当然、その数値は上がる。
「動脈硬化を起こす原因となります。体重は減るかもしれませんが、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながるリスクが高まるんです」
さらにはナッツ類やオイル類といった高脂質な食べ物の中には、体重増加の原因となる高カロリーな食品も多い。
では、なぜ山内はやせたのか。それが2つ目のポイントだ。
「山内さんがやせた理由は脂ではなく、これまで食べすぎだった炭水化物をとらなくなり、全体のエネルギー摂取量が減ったからではないでしょうか。カロリーの摂取量が減れば当然やせます」
米や穀類、イモ類などの炭水化物はもちろん、糖質を含む食品は一切食べない。糖質が脂肪となり、体内に蓄えられることで肥満の原因となるからだ。
糖質カットは、これまでにもダレノガレ明美や山本耕史など、多くの芸能人が実践してきた。
中でもタレントのGACKTは健康維持と自らの“信念”のため、炭水化物を断ち、米は“20年間食べていない”と公言している。
だが、糖質は体内に吸収され、エネルギー源になる。
「炭水化物を抜くとスタミナ不足になったり、疲れやすい身体になる可能性があります」
ハードなトレーニングを行う人にとって糖質カットは、不向きなダイエットともいえる。
「野菜や乳製品にもわずかながら糖質は含まれています。日常生活を送る程度ならエネルギー不足にはならないですが……」
テレビに引っ張りだこのかまいたちではスタミナ不足になっちゃうかも!?
お話を聞いたのは…
管理栄養士。日本抗加齢医学会指導士。四谷メディカルキューブにて栄養指導などに従事。『間食ダイエット』(文藝春秋)などの著書も執筆
取材・文/堤美佳子、当山みどり