最後のひと花を咲かせたい……

 さらには世間からの注目度には大きな差はあるものの、一般人も芸能人もアラフィフ男性が「不倫に走るマインド」には共通項があるという。

 漫画家でラブホテル評論家の日向琴子さんは語る。

50代は仕事もプライベートも一段落し、“最後にもうひと花咲かせよう”と考えてしまう時期。自らの加齢を認めながらも、心の中では“まだまだ男として見られたい”という欲もくすぶっています

 しかし「もうひと花!」と気ばかり急いても、身体は追いつかないのが、悲しき中高年のサガ。

アラフィフ男性にとって深刻なのは、男性機能の衰えです。よく“長年連れ添った妻とでは、勃たないよ”と口にする男性もいますが、なにもほかの女性だったら勃つわけではありません。正確には“勃たない自分を妻にだけは、見られたくない”と考えている」(前出・日向さん)

 普段いくら家でだらしない格好をしていても、ベッドではカッコよくありたいと願うのが男性の心理。

「私の知人のアラフィフ男性にも“行きずりの女性なら、もし勃たなくても『旅の恥はかき捨て』ができるので精神的なダメージは少ない”と語る人がいましたね」(前出・同)

 万一、ダメだったら立ち(勃ち)直れない──。けっして不倫の免罪符にはならないが、男性が抱く「勃起へのこだわり」は、女性が思う以上の切実さをはらんでいるのかもしれない。

 では、不倫をする男性の末路とは一体どのようなものか。

「一般には“妻にも不倫相手にも見捨てられて寂しい老後を送る”と思われがちですが実は世の中、そう単純ではありません(笑)。特に前述の(1)のような女好きタイプの男性は、根っからの寂しがり屋。あの手この手で女性を口説いて、口説かれた女性側もなんだかんだ情にほだされて、面倒を見てしまう例が多いです」(前出・仁科さん)

 また日向さんは、

アラフィフともなれば、子どもも成人して、たとえ離婚をしても養育費の心配もない。そのため不倫相手と再婚をして第2の人生を考えるケースも少なくないようですね」

 ときに理屈だけでは割り切れないのが、恋というもの。しかし身勝手な行為で、妻や子ども、仕事関係者を裏切り、大切な人を傷つけることは、決して許されない。

「男性も女性も、身近な幸せにきちんと気づけた人が、最終的に幸せになります。あれもこれもと目移りをして不倫に走るのではなく、まずは今の生活に満足すること。『足るを知る』ことが大切ですね」(前出・日向さん)

 幸せの青い鳥は、すぐそばにいるのだ。

お話を聞いたのは……

仁科友里さん●フリーライター。週刊女性PRIMEにて『ヤバ女列伝』を連載中。週刊誌などにタレント論や女子アナ批評などを寄稿。ほかにも婚活相談に応じるなど幅広く活躍

日向琴子さん●ラブホテル評論家、コラムニスト、漫画家、Webテレビ局の経営など多彩に活躍。2020年末に仏教の高野山真言宗別格本山「清浄心院」で行われた得度式にて出家