健康診断・がん検診を甘く見ない!
究極、病気にならなければお金はかからない。しかし、いくら健康に気を配っていても完全に予防するのは難しい。となると病気の早期発見が最善策に挙げられる。
「早期の段階で治療を始めれば医療費は減らせますし、がんなど手術が必要な病気は身体の負担が少なくてすみます。そのために欠かせないのが健康診断、がん検診です」
健康診断は高血圧や糖尿病といった生活習慣病の発症予防を目的に行われ、がん検診は文字どおり、がんの早期発見のために行われる。自治体や企業が実施し費用は無料から数千円レベルとさまざま。
【推奨されているがん検診】
●大腸がん 40歳以上 年1回
●胃がん 50歳以上 2年に1回(エックス線は40歳以上、年1回)
●肺がん 40歳以上 年1回
●乳がん 40歳以上 2年に1回
●子宮頸がん 20歳以上 2年に1回
「健康診断、がん検診を甘く見ないで、ぜひ受けてください。日本のがん検診の受診率は諸外国に比べて低い。これはとてももったいない話です。例えば、大腸がんは年に1回健診を受ければ、死亡リスクが60~80%低下することがわかっています。また、進行がんになるリスクも約半分に減らせます。検診がいかに有用かわかりますよね」
病気の値段を上げるか下げるかは自分次第の面も。まずは健康診断へ踏み出そう。
(取材・文/百瀬康司)
《PROFILE》
御喜千代 ◎ジョンソン・エンド・ジョンソンで外科、産婦人科を中心に新しい手術の開発やトレーニングを担う。コミュニケーション業界に転じてからも医療面の活動に尽力。初の著書『病気の値段がわかる本』(アスコム)がある。