制作費も拘束時間も◎な通販番組
「通販番組は放送枠を通販会社がまるごと買ってくれるのでテレビ局にとっては非常にオイシイんです。出演料も通販会社が負担してくれるし、番組制作は下請けに格安で丸投げすることができますから」
売り上げが増え、通販会社の制作費にも余裕が出てきた。
「コロナ禍で業績が悪化し、番組スポンサーを降りたり、出資額を減らす企業も少なくありません。タレントからするとギャラが減ったり、そもそも呼ばれなくなることもあります。そんな中、業績好調の通販会社は制作費を今までより多く出せる。ギャラが高くてオファーを諦めていた芸能人を呼ぶことができるようになったんです」(前出・番組制作会社スタッフ)
出演する芸能人からしてみても、通販番組は魅力的だ。
「まとめ撮りすることも多く拘束時間も長くない。ギャラも大物クラスになると1本100万円以上という話もあり、通常のバラエティー番組に出演するより相場が高いことも。タレント側にとっても、ありがたい番組といえます。コロナ禍にあって稼げているコンテンツだからこそできることですね」(ラリーさん)
売れっ子タレントをキャスティングしたことによる、こんな利点も。
「番組では商品の魅力を限られた時間で最大限に伝えなければいけません。鍛えられているとはいえ、商品紹介をするバイヤーやあまり知られていないタレントさんのリアクションはちょっと不自然に感じるところもあります。
ゴールデン帯で活躍するタレントさんは、盛り上げ方をわかっているんです。テレビの顔として今も注目を集める方が大げさなリアクションをしても、バラエティー番組を見ているように自然と受け入れられているんだと思います」(前出・番組制作会社スタッフ)
タレント自身も、通販番組を新たな魅力としてとらえ直しているようだ。
「今田さんは番組内で“俺、やっぱ通販向いてるわ~!”と発言するなど、商品を紹介したり、実際に使ってみて感動するような番組作りに魅力を感じているようです」(同・番組制作会社スタッフ)
今も第一線で活躍する芸能人が登場することで、番組はますます盛り上がる。
「テレビショッピングでおなじみのアンミカさんは“いわゆる『通販タレント』の地位を向上させたい”と話していました。一線級のタレントが通販番組に進出することで“都落ち”のようなマイナスイメージも薄くなり、通販番組に出たい! と思うタレントも増えていくのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)
シニア世代の女性の心をつかみ、根強い人気をみせているテレビ通販。インターネットも難なく使いこなすようになったシニア層は商品紹介を見て、ネットで注文する。
「今や一流芸能人が積極的に出演して、立派なテレビのエンタメコンテンツとして成長しました」(ラリーさん)
大物タレントがズラリと並ぶ通販番組がいつかゴールデン帯で放送されるようになったりして!?