もちろん、「手をかざしただけで身体のがんがなくなる」といった行為自体は非科学的なものだろう。当のなべ本人も、『新潮』の取材に《池江さんとはお話をしているだけで、気功なんてことはしていませんよ》と、“治療”を否定している。

 ところが、彼には不思議と信じさせる“雰囲気”があるのだという。かつて出演番組に携わったテレビ局プロデューサーが明かす。

2020年12月、『毎日スポーツ人賞』表彰式にVTR出演で参加した池江璃花子選手
2020年12月、『毎日スポーツ人賞』表彰式にVTR出演で参加した池江璃花子選手
【写真】「若返りの方法」も公開、気になるなべおさみの“言霊”

「政治家や各界の著名人にも友人が多いなべさんは懐が深く、老若男女関係なく気さくに接します。話し方も穏やかで説くように、さらに博識なものですから、言葉の一つ一つに“言霊”が宿っているというか、とにかく面白くて引き込まれる。そして、とにかく若い! 3月にローカル番組で久々にお見かけしましたが、とても81歳には見えませんね。

 ただ、多くのスポンサーがつく池江さんですから、事務所としては“スピリチュアル”のイメージがついて回ることは避けたいのでは? それが、一連の報道でも触れられない理由ではないでしょうか」

人生の喜びとは、出会うこと

 あまり知られてはいないが、なべは昨年2月から自身のYouTube動画『なべおさみチャンネル』を開設している。そこで自慢の博識ぶりを披露するかのように、さまざまなテーマについて語っているのだが、例えば池江選手が競技復帰を果たした後に【人生】についてこのように説明している。

《人生で何が大事かと言うと、僕は、これは若い時からずっと変わらず持っているポリシーです。どんな人間に会うか、この楽しみを味わって生きるのが人生だ。こう思ってます。今日もこういう人に会えた、昨日はこんな人間に会えた、さぁ、明日はどんな人間に会えるんだろう、この喜びが、僕は人生だと思っています。

 そして、心に明記すべきたくさんの人が、僕の人生を構築してくれている、手助けを担ってくださっている。こういう風に思いますね》

 最後には《さぁ、どんな人間に会っていくか。これが人生ですよ。楽しいはずです。失敗を恐れずどんどん歩きましょう》と終えたなべ。まだまだ明るく輝かしい未来を生きる、池江選手へのエールにも思える人生の話だった。

 なべとの出会いは、彼女にとって奇跡の出会いであったことだろう。