仲のよい両親に溺愛されたひとりっ子
容疑者の両親について、別の近所の住民はこう話す。
「80歳前後の父親は元公務員で、ちょっと高圧的なものの言い方をする人です。70代後半の母親も回覧板の置き方にクレームをつけてくるような人で……。ゴミ当番が回ってくると“うちはできない”と断ったり。ちょっと厄介なご夫婦だから、近所付き合いもほとんどないと思います」
我の強そうなふたりだが、夫婦関係は良好のようで──。
「今でもお互いに下の名前で呼び合うほど仲睦まじい夫婦。父親は毎日、リュックを背負って食料品の買い出しに行くほど家事にも協力的なようです」(別の近所の住民)
そんな夫婦の一粒種として、可愛がられて育った容疑者。
「ひとりっ子のわが子には優しくてね。特にお父さんは教育熱心だったみたいです。こういう育て方をしたい、この学校に行かせたいなど、確たる教育方針があると聞いたことがあります」(近所の主婦)
両親の溺愛が災いしたのか、彼は甘えん坊な性格に。小学校の同級生は証言する。
「性格はおとなしい子なんだけど、目がギョロッとしていて、どこを見ているのかわからないような感じがしました。感情の起伏が激しくて、明るいときは彼からどんどん話しかけてくるけど、気分が落ち込むとすごく暗いオーラを出すんです。そのギャップが面倒くさい感じでした。悪いヤツではないけど、友達はほとんどいなかった」
中学校の同級生も、
「頭はよくも悪くもない、ごくごく普通。活発なイメージはなくて、部活も入っていなかったと思います。印象の薄い生徒で、彼との思い出はまったくないですね。ただ、周囲との協調性に欠けていて、典型的な“空気が読めない”タイプだったことは記憶しています」
高校は地元で新設されたばかりの県立高校に進学。高校卒業後は京都の大学に入学するも、中退している。その後は現在の50歳まで、定職に就いたことがないという。
「一度もちゃんと働いてないと思うよ。8年ほど前に数か月、警備員のアルバイトをした程度で、あとはずっと家にいた。ちょっと変わりもんだから、職場でなじめなかったのかもね。だから、両親も息子の就職は諦めて、自分らの年金で暮らすニート生活を容認しているんじゃないのかな」(別の近所の住民)
自宅の2階が容疑者の部屋のようだが、一晩じゅう明かりがついているという。
「ヘッドホンで音楽を聴いてるんだろうね。最近も“ボク、DJをやっているんですよ”と得意そうに話されたことがあります。仕事もしてないから、昼夜逆転の生活をしていたのでは」(同・住民)
サーフィンにハマっているという話もあったが、
「“三重の海まで友達の車に乗せてもらっていって楽しんでる”と言ってましたね。砂浜でDJもやってるとか言ってたけど、そんな派手なことをするタイプには思えない」(同・住民)