『大倉士門くんが語る「選挙の大切さ」インタビュー』
ここで浮上するのが、この「私が面倒をみる!」をリークした“みちょぱの知人”ははたして存在するのか問題である。もちろん、熱愛記事にストーリー性が欲しいからと、記者が適当に知人をでっちあげて嘘を書いたわけではないだろう。しかし、どうしても“そういう筋書きに持っていきたかったんじゃないの?”とは邪推してしまう。
週刊誌により“ヒモ認定”されてきた男たちはこれまでにもいたからだ。
近年でいえば、神田沙也加の元夫・村田充であろうか。当時、半同棲が報じられたあたりから、まるで彼女が扶養しているかのような扱いを受けていたと記憶している。実際結婚して俳優業を休業したときにその流れは加速してゆく。誌面のタイトルもその方向に寄っていった。
《神田沙也加 「夫の三歩前を歩いて」買い物撮》
《年下夫「休業でヒモ生活」を直撃!》
ヒモ男といえば、元AKB48川崎希の夫・アレクサンダーなども思い出されるが、彼に関しては自らそれを公言し、ネタにしていることからして、明らかな別物だろう。
どうやら週刊誌業界では、「男性サイドがそこまでメジャーでない」ときに「女性パートナーの稼ぎがいい」とヒモ男にされてしまうらしい。今回の大倉士門に関しても、同じパターンが適用されたがゆえに、みちょぱが「面倒をみる!」物語のなかに押し込められているようにみえる。稼ぐ女とヒモ男、それだけでふたりを語れるはずないだろう、とツッコミたくなるほど話が簡素化されてしまっているわけだが、週刊誌ももう少しアップデートされないものだろうか。
村田充はかつて90年代に広末涼子との熱愛も撮られたこともあるモテ男であったが、同じモデル出身という共通点のあるの大倉士門は実際、どういう男なのだろう。
気になってYouTubeで名前を検索すると、すぐに『Popteen』のYouTubeチャンネルに行き当たる。彼が出演するのは「妄想バレンタインデート」や「ギャルに仕掛けられる寝起きドッキリ」など、いかにもチャラそうな動画が。ちなみに、みちょぱと共演している5年前の動画のコメント欄には《この2人つきあってるの?》と予言めいた感想も書かれていた。ちょうど交際をはじめた時期と重なる。
そのなかに埋もれた、『DOKUMO BOYS &GIRLS』というチャンネルである動画をみつけた。タイトルは、
『18歳選挙 大倉士門くんが語る「選挙の大切さ」インタビュー』
動画をみると、背筋をピンとさせた彼が、タイトルどおりティーン世代にも積極的に参政してもらえるよう若者代表として真摯に語っている。口調も実に真面目そうだ。そして、映像の最後に出てくるのは、『総務省』のロゴマーク。……行政機関からも仕事のオファーがくるとは。さすがみちょぱが選んだ男!
──ふと思えば、公然と付き合っていたにも関わらず、週刊誌に出たのが交際5年目ということとはつまり、「読モ界隈はめちゃくちゃ口が堅い」のではないだろうか。派手な見た目のウラに、義理と人情が詰まっている。人はみかけで判断してはいけないな。自戒を込めて……。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉