地道に頑張っているシングルマザーにとっては、こんなふうに嫌悪感を抱くものはないという。小室さん親子の、これまでの暮らしぶりだ。

 父親が命を絶ち、悲しみを抱えたままでの母と息子の生活。確かに大変な部分もあったと容易に想像できるが、小室家には公務員の父親の遺族年金もあり、母親もパートで働いていた。身の丈にあった暮らしはできたはずである。

 例え子どもを塾に通わせたいと思っても、収入に見合った勉強法を選択するしかない。私立大学は無理だから国立大学だけ、という選択肢の中で勉強に励まざるを得ない高校生もいる中で、次々に明らかになる小室家の生活は、

 「アレルギーでしかないですね」

 と、子どもが成人したばかりのシングルマザーは明かす。

やってることは、まるで“後妻業”

 多くの日本国民の反発を食らい、案の定、泥沼化してきてしまった28枚もの「新・小室文書」。小室さんの文書に対し、母親の元婚約者の食い違い発言が出てきて、両者のかみ合わない感じが再び明らかになってしまった。

「新・小室文書」を受けての週刊誌報道が興味深かった。

小室圭さんの危うい香り」と小室マジックをたたえ気味に報じたのは週刊朝日。女性誌はやはり女性誌ならではの視点で、週刊女性は「マザコン文書」と喝破。女性自身は「眞子さまより母を守る」「母をかばって4万字」という見出しが躍る。女性セブンは「録音する男」というレッテルを張った。“隠し撮りした”という事実は、何がなんでも黙っておくべき過去ではなかったか。せめて裁判になったときに、隠し玉で出せばよかった。“隠し撮りをする男”というレッテルというよりスティグマ、それを自分で誘導してしまった。

 日本中から改めて批判ののろしが上がってしまった「新・小室文書」。その発表わずか4日後に、「解決金を渡す」意向を示したことも、

「それなら最初からそう言っておけばよかった。本人も弁護士も、よくもまぁ、国民の感情から乖離した人ばかりが集まって知恵を出し合ったんだな、と逆の意味で驚きました。おかげで、番組作りには困りませんでしたけどね」

 とワイドショーディレクターは苦笑いする。元婚約者も、「婚約中でもお金が動けば貸し借り。最初から差し上げるといった覚えはありません」という内容を録音した音声をメディアで公開した。

 最悪の一手を指し続ける小室さん。事態を打開するための最善手がないだけに、事態が好転しない。コロナ禍の日本の状況も、小室家には否定的だ。

 前出・シングルマザーが言葉を続ける。

「元の夫から慰謝料や養育費ももらえないシングルマザーは多いんです。自分の食事を1日に1度に減らしても子どもに食べさせている母親がいたり、進学を諦めたりする家族もいる中で、あの親子は、他人にお金を出してもらっていい暮らしをして、いい学校に行った。さすがに違うとは思いますが、もしも小室さん親子が悪意を持ってやっていたとしたら、それは(高齢者の遺産を狙った)後妻業の変形ですよ。

 シングルマザー感情からしたら、はっきり言って欲張りだと思います。そんな人が眞子さま結婚することに、シングルマザーがアレルギーを持つのは当然だと思ってしまいます」

 と、憤りを隠せない。

「新・小室文書」で再びこじれてしまった結婚問題。東京オリンピック・パラリンピック以上に延期を延期して、国民感情を冷却化することが次の希望につながる一手かもしれない。

〈取材・文/薮入うらら〉