ネットがなければ致命傷にならなかった

「“僕くらいビッグになると~”という発言だけをマスコミに切り取られた田原俊彦(60)のBIG発言は、マスコミが前後の言葉を要約し、キャッチーな部分だけで作られた“失言”。

 ところが、彼のイメージは凋落した。もし、あの時代にネットがあれば、“トシちゃんはそんな意味で言っていない”とファクトチェックが働き、致命傷にはいたらなかったと思います」

 同じく、石田純一の「不倫は文化」発言も要約されたニセ失言だ。言説のソースや事実を確認できるという意味では、ネットならではの利点もあるというわけだ。

 一般人による揚げ足取り的な行為から失言にいたるケースもある。例えば、「注文していないのに水代として800円取られた」とレビュー投稿されたことに対し、貧乏人のレビューはあてにするなといったニュアンスの反論が失言と解釈された川越達也(48)は、「被害者ではないか」と中川氏は分析する。

「生意気な反論をしたということで袋叩きのような目に遭った。そもそもレビューがなければこのような事態にはなっていない。メディアは、司法、行政、立法に次ぐ“第四の権力”と呼ばれるが、今や一般人が“第五の権力”になっている」

 ツイッターなどで有名人に絡んでいく一般人もこの部類に入り、芸能人に向かって突撃する“当たり屋”のような一般人に巻き込まれることで、失言まがいの態度を取ってしまう芸能人もいると説明する。