遺骨はいまも自宅に
そんな美帆がいちばん心配するのは、やはり父のこと。自宅近所の住民が近況を語った。
「今は毎日、犬の散歩をなさっていますよ。久しぶりに会ったときは“お騒がせして、すみません”って、深々とお辞儀してくれました。今朝も“寒いですね”って、挨拶しましたよ」
娘に厳しかった父との距離も、この1年で近くなった。
「美帆さんはしばらく見なかったけれど、最近はよくお子さんを連れて来ています。もともとは岡江さんのご両親との二世帯住宅として建てたもの。今やひとりになった獏さんには広すぎるんでしょう。ウチにごはんを食べに来てって誘おうかと思ったこともありますが、獏さんの心情を考えると、気軽に声をかけにくいですよね」
愛おしいのだろう、岡江さんの遺骨を、獏は自宅に置いたままにしているという。そのことについても美帆に聞いてみると、
「母が入りたいと言っていたお墓があるので、そこに入れたいのですが、時期は父に任せています。今はまだ家に置いておきたいようですね。
最近、週に何度か実家に行って、家事をするんですが、料理だけは父のほうがうまいので、結局は作ってもらっちゃっています(笑)」
獏が「元気なので大丈夫」と話していたことを伝えると、
「元気だと言うしかないんですよ。私も同じ。でも、前向きに生きたいとは思っていますから。父も私も」
先月、熱海の別荘に行ったのは、気分転換のためだという。母を襲ったコロナを恐れ、母が行きつけだった料亭に初めて行った以外は、別荘にこもりっきりだったそう。その別荘は「手放しません」ときっぱり。母の思い出としても失いたくないようだ。
配信ライブの事前チケットは北海道から沖縄まで、さらにはアメリカやヨーロッパからも購入者がいるという。ライブ当日、ピアノの音色と岡江さんの写真とともに、父娘が今の思いを語る。