TOKIOの長瀬智也がジャニーズを退所し、V6も今年11月1日をもって解散することが発表された。振り返れば、アイドルとしてトップに立ったいくつものグループが、さまざまな形で解散という形を選んでいる。出会いがあれば別れもある。その裏側の“事情”とは──。

《突然のことで驚かせてしまうかもしれません。悲しませてしまうかもしれません。でも、とても大事なことなので、自分たちの言葉で皆さんに伝えます。僕たちV6は、2021年11月1日をもちまして、解散します》(『Johnny's net』より)

相次ぐ人気グループの解散

 今年3月、V6の解散とメンバーである森田剛の退所が発表された。SMAPが解散し、TOKIOは分解、そして嵐も活動休止をする中で、突如として「解散」を宣言したV6の決断は、大きな衝撃を与えるだけでなく、芸能界が過渡期を迎えていることを否応なしに突きつけた。「V6、お前もか」──、そんな思いを抱いたファンも少なくないかもしれない。

 だが、始まりがあるからこそ終わりがある。アイドルグループに解散はつきもので、これまでも大きなインパクトを残したグループの解散劇は、枚挙にいとまがない。

 昭和、平成、令和の芸能界を取材してきた芸能レポーターの石川敏男さんは、「芸能史を振り返ったとき、やはりピンク・レディーとキャンディーズの解散は衝撃的な出来事だった。SMAPの解散や嵐の活動休止と同様の驚きがあった」と語る。

 ピンク・レディーは、'76年に『ペッパー警部』でレコードデビューするや、売り上げ60万枚を記録し、瞬く間にスターの仲間入りを果たす。一方のキャンディーズは、'73年に『あなたに夢中』でレコードデビューするも、オリコン1位を立て続けに記録するピンク・レディーとは対照的に、ブレイクまで時間を要した。'75年発表の『年下の男の子』で初のオリコン1ケタ台(9位)を記録すると、以降、人気は右肩上がり。1年後にリリースした『春一番』で確固たる地位を築く。

「ピンク・レディーはデビュー直後にピークを迎えたアイドル。一方、キャンディーズは徐々に人気を獲得していったグループ。ともに活動期間は4~5年という短さだったけど、人気絶頂期の解散という意味ではキャンディーズのほうが衝撃的でした」

 そう話す石川さんの言葉どおり、後楽園球場で行われたキャンディーズの解散コンサートには約5万5千人が集まり、詰めかけたファンの様子をNHKニュースが報道するほどだった。後日、TBSで放送されたコンサートの平均視聴率は32.3%──まさに国民的解散劇といっても過言ではない。

「ピンク・レディーの人気を下支えしていたのは子どもだったため、失速するのも比較的早かった。また、紅白歌合戦の出場を辞退したことで調子に乗っているなんて叩かれたりもした。早熟だったし、商業的すぎた」(石川さん)

 実際、ピンク・レディーの解散コンサートは、同じく後楽園球場で行われたものの空席が目立ち、超満員だったキャンディーズに比べると寂しいものだった。