一般的に人がカネにセコくなる理由を大きく2つにわけるとすると、1つめは「本当にお金がない」ことがあげられるでしょう。背に腹は代えられませんから、お金がないと、なりふり構っていられません。
2つめは「自分大好き」な人が考えられます。企業においても昇進するたびに権限は増えていきます。それは役職に対して与えられる権利なわけですが、それを「自分の価値だ」と勘違……いえ、解釈する人は「これくらい、いいだろう。自分にはそれだけの価値があるはずだし、その分貢献している」と際限なく求めてしまうのではないでしょうか。
国会議員の山尾議員が金欠ということは、考えにくい。となると、「自分大好き」タイプだと言えるのではないでしょうか。カネそのものが欲しいというより、「もっと欲しい、なんでも欲しい」という強い自己愛もしくは上昇志向のなせる業なのではないでしょうか。
仮に山尾議員が自己愛が強くても、それは個人の資質ですから、他人がとやかく言う筋合いはありません。しかし、得てして自己愛が強すぎる人の欲しがる欲望というのは、とどまることを知らず、だいたいヤバいことをやらかします。しかも、山尾議員の場合、国会議員として歳費を与えられており、その原資は税金です。こう考えると、見過ごせない点がいくつもあります。
山尾議員と倉持氏はズブズブの関係
2017年に『週刊文春』は、先の「ある男性」と山尾議員の不倫疑惑を報じています。当時、民進党だった山尾議員は幹事長昇進目前に、都内の高級ホテルで9歳年下の倉持麟太郎弁護士と密会。当時は二人とも既婚者でしたから、ダブル不倫です。山尾議員は男女関係を否定、ホテルは「一人で宿泊した」と釈明していますが、『文春』はそう来るだろうと思っていたとばかりに、翌週第2弾を投下。打ち合わせしていた部屋が、部屋のほとんどをダブルベッドが占めていて、とても事務作業ができるような空間でなかったこと、二人が翌朝5時までホテルに滞在していたと報じています。
不倫も問題ではありますが、私がもっと気になるのは、このホテル代はどこから出ているかということなのです。「打ち合わせだ」と山尾議員が言うからには、経費として計上している可能性は高いのではないでしょうか。しかし、『文春』の報道から考えるのなら、二人が男女の関係でないというほうが無理な話でしょう。税金を使って、高級ホテルで不倫ってアリなんでしょうか? いつもうやむやになってしまうことが気になります。
男女関係を否定した山尾議員ですが、その後、倉持氏を自身の政策顧問として起用することを発表しました。2019年の『週刊文春』では、国会に無届で二人が海外旅行に行ったことが報じられていますし、今回の「議員パス」不正使用の際も、山尾議員が倉持氏の自宅を訪れています。山尾、倉持両氏はすでに離婚しており、不倫には当たりませんが、カネの絡んだズブズブの関係で「公私の別を大事にしている」とは思えません。
しかし、山尾議員が必死に倉持氏を囲い込む女心もわからないでもない。そうでもしないと、倉持氏をつなぎとめるのは難しそうだからです。
2017年二人の不倫報道が出たころ、『週刊文春』は倉持氏の過去の婚約不履行についても報じています。倉持氏が弁護士事務所を開設するまで結婚を前提に同棲していた女性がいたそうですが、その女性に突然別れを切り出し、倉持氏はキャビンアテンダントの女性と結婚してしまいます。
弁護士になるまではフツウの女性に支えてもらい、弁護士になったらキャビンアテンダントという“美ブランド”の女性に乗り換える。こういう「自分にとってどちらがプラスか」を常に考えているかのような男性と一緒にいたいのなら、何か“ご褒美”を与えないといけないでしょう。野心家で移り気な若いオトコに差し出したのが政策顧問という地位と肩書きだったのではないでしょうか。