ファンの熱い応援と番宣での活躍

日曜劇場『半沢直樹』、昨年放送された際には「チャオ」という及川のセリフがファンの間で話題に
日曜劇場『半沢直樹』、昨年放送された際には「チャオ」という及川のセリフがファンの間で話題に
【写真】俳優デビュー当時、美しきミッチーこと及川光博('98年)

 もう1つ、及川の貢献度が高いポイントとして挙げておきたいのは、広報宣伝力の高さ。及川のファンは熱狂度の高さで知られ、しかもファン歴が長いこともあり、「出演作を見るだけでなく、最後まで宣伝し続ける」という人が多い。つまり、強力な顧客を持つ及川は、人気の面でも作品と主演俳優をサポートできるのだ。

 また、連ドラの主要キャストにつきものの番宣出演で活躍できることも評価が高い。ライブ慣れした及川は生放送の情報番組に強く、さらにバラエティーでも王子様キャラなどで笑いを取ることができる。

 TBSにとって日曜劇場は「絶対に失敗できない」という看板枠だけに番宣の重要度は高く、その回数は他のドラマ枠よりも多い。そもそも及川のような番宣出演で盛り上げられる俳優は、バラエティーの制作サイドにもウケがよく、受け入れる側も大歓迎なのだ。

 ここまで、「作品と主演をサポートできる」「撮影現場でムードメーカーになれる」「番宣で貢献して視聴者を増やせる」という及川の強みを紹介してきた。また、主演を張れる技量と人気があるのに、助演をまっとうできることも評価されている理由の1つだろう。

 そのほかにも「さまざまな職業が似合う立ち姿の美しさ」「ひょうひょうとしたキャラクターでシビアな物語をやわらげられる」などの長所もあり、今後も日曜劇場の準レギュラー的な存在として、年1作程度のペースで出演を続けていくのではないか。

木村隆志(コラムニスト、テレビ解説者)
ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。