公判で被告人は「間違いありません」
逮捕後、3月には久留米大学医学部を強制退学処分となっていた被告人だが、同月に保釈されており、現在は公判の真っただ中だ。
5月14日には第2回公判が福岡地裁久留米支部で行われ、週刊女性も傍聴に訪れた。
午前10時の開廷15分前に裁判所に到着した被告人は黒のスーツにグレーのネクタイを締め、法廷に臨んだ。
無表情だが緊張した様子で、時折、天井を眺めては深呼吸。傍聴席には、大学の友人らしき男性が5人ほど座り、審理の経過を見つめていた。
今回の公判では検察官が起訴状を読み上げたが、被害事実があまりに多すぎて読み終わるのに5分ほどかかった。
事実関係を問われた被告人は、証言台に立ち、
「間違いありません」
と低い声ですべてのヘンタイ行為を認めた。
終始、うつむき加減だった被告人は一切抵抗する気持ちがない様子で検察の主張を受け入れた。
今後、6月の最終審理を経て、判決が下ることになる。審理では情状証人として父親が出廷し、示談金の支払いなどを証言する予定だという。
SNSの投稿写真から合鍵が作れる
犯罪者が他人の合鍵を勝手に複製することで起きた今回の事件。類似の手口として、泥棒が管理会社を装って住人に鍵を提示させ、製造番号を控えるケースや、SNSに投稿された写真に鍵の番号が写り込み、合鍵を作られるケースも発生している。
女性のみならず誰もが事件に巻き込まれる可能性がある。防ぐ手立てはないのか。
前出の『日本ロックセキュリティ協同組合』によると、
「合鍵を作る際に、依頼者が本当に鍵の持ち主か確認することは、難しい。鍵の登録管理は現実的に不可能で、ウソをつかれたら、見破ることは困難です」
近年は技術の向上もあり、精巧に作られた鍵でも複製は可能だという。そのうえで、セキュリティーを高めるために、
「『認証ID』を採用した鍵は、タグ状のプレートなどに刻印されたID番号が製造番号とペアになっていて、2つの情報が同時にメーカーに届かないと複製できません。賃貸住宅であればオーナーしかID番号を知りえないので、勝手に鍵を複製されることはありません」
この『認証ID』を導入していない限り、不法侵入を完全に防ぐことは難しい。犯罪者に隙を見せないよう、警戒が必要だろう。