家族がいるといいな、と思うようになった

「2番目に出てくるのが結婚……、それを私に求められても(苦笑)。今、結婚という2文字がまったく頭の中にないですね。仕事のことばかり考えているし、私はすでに“子育て”には失敗していますし」

 彼女の“子ども”とは、もうすぐ10歳になる猫、アビシニアンのアビィくん。

「兄弟がいないし、甘やかしてしまったので、じゃれたりするときに力加減ができない子になっちゃって。私はいつも傷だらけですよ。

 でも彼を見ていたら、もしかして私も何気なく言った言葉で、人を傷つけてしまっているかもしれないなんて思ったりして。猫に人生を教えてもらっています(笑)

 猫との生活で満足しているような彼女だが、

「今回のコロナ禍でわかったことがあって。ひとり暮らしで外出しなくなると、猫としゃべるしかなくなるんですよ。これはマズイなと。結局は独り言じゃないですか。心の健康によくない、と。ですから、そんなときに話せる家族がいるといいな、と思うようになりました」

 そして話は、理想の関係へ──。

「結婚というよりパートナーがほしい。プライベートで困ったときに、相談に乗ってくれるような、同志と呼べるような人がいたらいいですね。

 そんな人と“夫婦ごっこ”をしてみたい(笑)。自宅からふたりで散歩に出るとき、鍵をかけている私を置いて歩き出した彼に、“ちょっと待ってよ~♪”なんて言ってみたいです。そんなキャラ、お芝居の役でもいただいたことないので(笑)

 そんな妄想を抱えつつ、今いちばん力を注いでいるのが6月5日(土)の配信ライブ『My Heartland Cafe』への準備。

「昨年のバースデイライブを経験して、もっと楽しんでいただける方法がないかな、と考えてきました。そこで今回は、歌とトークを分けて、歌は収録したものをお客さまと一緒に見て、トークの時間はチャットなどで言葉を交わせるようにしたり。収録の裏話も楽しんでいただければうれしいです」

 最後に、コロナが収まってから、いちばんやりたいことは? の質問に、

「やっぱり生でのライブです。マスク越しではなく、みなさまの笑顔を見たいと思っています。これって、今までなら当たり前のことなんですよね。そんな当たり前の喜びを、みなさまと分かち合いたいです」

●プロフィール
元宝塚月組トップスター。1985年宝塚歌劇団入団。花組に配属。『愛あれば命は永遠に』で初舞台。1997年『EL DORADO』で月組主演男役に就任。また『風と共に去りぬ』のスカーレットや『ミー&マイガール』のジャッキーなど女役でも活躍。2001年退団後は舞台、テレビ、ラジオと多方面に活躍。

●公演情報
6月5日(土)に15時からと19時からの2回、 配信ライブ『My Heartland Cafe』が決定(アーカイブ視聴期限は6月15日の18時まで)。
詳細はオフィシャルサイトで。https://www.f-spirit.co.jp/f_ticket.html