指でお金マークを作った男性
文子さん(33歳、仮名)は、年収780万円の保夫さん(37歳、仮名)とのお見合いを終えて、「今日の方は、お断りでお願いします」と連絡を入れてきました。そして、お見合いの帰りに、私の事務所に寄ると、こんなお断りの理由を言ったのです。
「これまでお見合いの席で、仕事の愚痴を言った人たちに何人か出会いました。『今の会社は休みが少ないし、残業はあるし、ブラック企業だ』とか、『会社の人間関係がよくない』とか。そういう話を聞いても心地よくないなぁと思ったけれど、今日の方は心地よくない上に、不愉快な気持ちになりました」
保夫さんは、精密機械メーカーに勤めていて、大きな病院とも取引があり、営業に行ったりするのだそうです。そして、取引先の病院の先生たちについて、こんなことを言ったというのです。
「アイツらは、まあ、高収入ですけど、コレにはケチな人が意外に多いんですよ」
“コレ”と言いながら、親指と人差し指を丸めて、お金のマークを作ったそうです。なんだかその仕草がとても品位に欠けたように見え、また、お客さんである病院の先生たちをアイツら呼ばわりしたことに、彼の人間性を垣間見てしまいました。
さらに、コロナ渦でオリンピックを開催するのかしないのかの話になったときには、こんなこと言ったそうです。
「コロナがこんな状況なんだから、当然やめたほうがいいんでしょうけど、まあ、IOCも誘致した日本も、コレがかかっていますからね」
そして、また指でお金のマークを作ったと言うのです。文子さんは、“この方は、どんな物事を見るときにも、金の流れが気になる人なんだろうな”と感じ、会話をしていて楽しくなかったと言うのです。
お金をどう使うか、お金についてどう考えているかは、その人の人間性を映しだす鏡のようなものだと思います。婚活において、ことにお見合いの席においては、値段の高い安いを言ったり、保夫さんのようにお金の話ばかりするのは、大きなマイナスになるということを覚えておいてくださいね。
また、特定の職業の人たち、政治家、宗教団体、タレントさん、特定の人種などをひと括りにして、悪口を言う人がいますが、お見合いの話題において、それも大きなマイナスです。そんなお相手に交際希望を出す人は、まずいませんよ。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。新刊『100日で結婚』(星海社)好評発売中。公式サイト『最短結婚ナビ』 YouTube『仲人はミタチャンネル』