今後注目の芸人司会者は……
芸人司会者は今、層が厚い。タモリ、ビートたけし、明石家さんまのビッグ3がいまだに健在なうえ、爆笑問題やくりぃむしちゅーといったボキャ天世代も円熟期を迎えていて、それより若い世代の新規参入は難しい状況だ。
そんななか、山里亮太がハードルを越えた。昨年4月『土曜はナニする!?』(フジテレビ系)のスタートとともに、MCに就任。前番組がベッキーの不祥事でミソをつけたり、大黒柱の山口智充がやや失速したりという経緯に加え、彼自身のステータスが上がったことが決め手になったのだろう。
そこにはいうまでもなく、蒼井優との結婚が作用している。一昨年の6月、大物女優をゲットしたことで、イメージは一変。ただし「きもい」「ブサイク」などと言われていたころから、芸人としての能力は高く評価されていた。
たとえツッコミのうまさは芸能界随一で、引き出しも豊富。「僕が通るとモーゼみたいに開いてく」など、学を感じさせる自虐ギャグも言える。アンケートでも「どれだけ言葉のバリエーションを持っているんだろう」(36歳・バイト)といったコメントが寄せられた。ランキングでも5位という、まずまずの評価だ。
では今後、ハードルを越えられるとしたら誰だろう。
若さと勢いなら、EXITをはじめとする第七世代だが、その前に第六世代がいる。実際、そのなかのひと組であるかまいたちの濱家隆一がチャンスをつかんだ。4月から『ZIP!』(日本テレビ系)の水曜パーソナリティーに起用されているのだ。
ところが、5月に新型コロナウイルスに感染。休まざるをえなくなった。「色っぽい」(44歳・主婦)とか「一般人に対して敬意を持っていそうで、好感がある」(51歳・主婦)といった持ち味を発揮するのは、復帰後に期待だ。
ほかには、小峠英二(バイきんぐ)について「まわしがめちゃくちゃうまい。なぜ司会者にならないのか」(39歳・会社員)という声が。また、森田哲矢(さらば青春の光)に対して「ワードセンスが抜群で生放送に強そう。司会者やってほしいけどルックスが朝昼の顔ではないのかも」(32歳・会社員)という指摘もあった。
この朝昼向きか夜向きかという問題はけっこう重要で、小峠にしても今はまだ夜向きなのだろう。あるいは、朝昼でも番組内のコーナーなら任せられるかなという位置づけに見える。
しかし、かつては山里もそういう存在だった。小峠も坂口杏里との件が示すように、けっしてモテないわけではない。今度はもっと正統派の大物とくっついて(?)飛躍したいところだ。
逆に、女性問題で消えた人もいる。『王様のブランチ』(TBS系)3代目司会者の渡部建だ。見栄えのよさも知識も進行術もあり、芸人司会者界のトップも狙っていけそうだったが「多目的トイレ不倫」で失脚したことは記憶に新しい。
朝昼の情報番組やワイドショーは、女性視聴者が多い。芸人司会者の浮沈も、女性との関わり方や世の女性たちが持つイメージがものをいうのだ。