全面降伏、コラムの休載も

 一方の、上原氏のケースは、ネット媒体『J-CASTニュース』内のコラムで、容姿を揶揄されたことに端を発している。

『テレビ見朱蘭(みしゅらん)』と題されたコラムで、筆者が「現役の時、筆者は彼の顔が苦手で、あまり好意を持っていなかった」と、上原氏の見た目に対する嫌悪感に言及したのである。

 これに対し上原氏は、

「容姿のことを言われてもこれでも一生懸命に生きてるんです。親には感謝してます。苦手な顔、好意を持ってない…そりゃ~好き嫌いは自由ですが、表立って書くことではないと思うんです。俺だって人間…傷つくこともありますので」

 とツイッターで反論。さらにブログでは、

「報道の自由にも程があります」

 と怒りを静かにぶちまけた。

 J-CASTは全面降伏で、コラムの休載も発表した。

「100%、悪いのは媒体側。筆者もダメなら、それをチェックする編集体制もダメ」

 と、ダメだしするのはウェブサイトデスクだ。

「筆者はベテランの放送コラムニストです。高齢者でも、きちんと自分の考えを修正したり、バージョンアップできる人もいますが、彼はそれができなかった。ここしばらくの世の中をきちんと見ていれば、見かけの問題はルッキズム(外見にもとづく差別)の問題として騒がれているのがわかる。書き手も編集もそこを認識できなかったことは、媒体としてアウトです」

 視聴率のうわべにだけ今も着眼して記事を書いたライター、人の見た目を平気で揶揄したライター。原稿を執筆することに対する、心配りの足りなさを露呈したために炎上物件になってしまった。

 決して人ごととはせず、書き手として自らを律したい。

〈取材・文/薮入うらら〉