グラビア撮影に“結婚指輪”をはめて
《むしろ、“熊田曜子は結婚してもご飯を作らなさそう”というイメージを持っていた人たちの耳に、あのニュースが入ったことで“なんだ、ちゃんとご飯作ってるんだ、母親やってるんだ”という印象を持ってもらえたので、プラスになったと思えたほどです》(2020年『週刊大衆』)
炎上をものともしない強心臓ぶりもさることながら、この発言からわかるのは、”ママタレとして認められたい “、そして“できないママと思われたくない”という気持ちの表れであろう。しかし、どうしてもママタレ然としないのが熊田曜子。バラエティー番組などで芸人たちに求められる振る舞いもどちらかといえば、“色っぽい人妻”としてのソレだったような──。結局、その理由はママタレとグラドル、ふたつの両立を狙った彼女の欲深さにあるように思えてくる。
産後しばらくして体型が戻ったのか、彼女は第2子出産後すぐ、2016年の夏にはグラビア業を再開、新作DVDを発売している。タイトルは『rebirth』、復活である。
しかしながら、「親しみやすいママタレ」と「人妻系グラドル」、この相容れないふたつのジャンルを両立させることはどうしても不可能なのではないだろうか。グラドル出身のママタレがみな水着から卒業しているのは、スタイルを維持する難しさもさることながら、この両者が水と油の関係だと知ってのことだと思う。
その点、やはり熊田はちょっとズレているというか、ほかとはスケールが違う。それを象徴するのが、結婚して以降、グラビアの撮影現場でポーズをとる彼女の薬指にいつも光るもの──。
《(結婚指輪は)今までも今回も、ずっとつけるようにしていますしね》(同前)
マジモンの結婚指輪で男をかき立てようとするあたりに、その倫理観が詰まっているような気がしてならない。せめてスタイリストが用意した小道具であれ! この匂いたつような空気感は、世間のママたちに支持される類のものではないだろう。
熊田いわく、写真集を部屋の目につくところに置いても、夫は「なんで俺が見なきゃいけないの」とそっけなかったらしい。これが“二兎を追う者”が家庭にもたらした悲しき余波なのかも。どうにか修復できぬものか。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉