すべてのマイナス意見を片づける“嫉妬理論”
確かにこじるりは視聴者(一般人)の気持ちはわからないタイプのような気がします。2020年12月26日放送の『さまぁ〜ず三村マサカズと小島瑠璃子の「みむこじラジオ!」』(ニッポン放送)に出演したこじるりは、熱愛報道とそれにまつわる批判を振り返って「(コロナ禍で)やっぱりみんな家に閉じ込められているから、人が何をやっているのかをものすごく(気にする)」「そういうところを刺激しちゃって申し訳なかったかな」と反省しています。
こじるりが叩かれたのは、コロナ禍に福岡に出かけていたこともあるでしょうが、略奪愛疑惑が払しょくできなかったことが影響していると私は思います。が、こじるり本人は「福岡まで出かけて行って楽しいことをした私に嫉妬したんでしょ? 私ばっかり幸せでごめんね☆」と、上段から物を言っているようにとらえられる発言をしました。どこの世界にも「私が嫌われるのは、嫉妬されているから」と言う人はいますが、こういう人はすべてのマイナス意見をこの論理で片づけてしまうため、自分のメンタルを傷つけることはありません。
こじるりはジャーナリストの池上彰、さまぁ〜ず・三村マサカズ、ヒロミなどオジサンからも高い評価を受けています。こじるりは『あちこちオードリー』で、自身を「お酒、クルマ、麻雀が大好きなオジサン」と話していましたが、確かにこういう会話の糸口があれば、大物の懐に入りやすいでしょう。そんなこじるりを「媚びていてヤバい」と陰口を言う人もいるかもしれませんが、「私が嫌われてるのは嫉妬されてるから」と考える人にとっては、そんな声など痛くもかゆくもないでしょう。そりゃ、仕事途切れないわけだ。
その昔、『アメトーーク!』で、有吉弘行がこじるりについて「知ったかぶりが鼻につくときがある」と発言したことがありますが、むしろ、他人をイラっとさせることが、こじるりの最大の魅力ではないでしょうか。なぜなら、恋愛ドラマやバラエティーなどのエンタメを盛り上げるのは、悪役だと思うからです。主人公の恋を邪魔する人がいるから恋愛ドラマは盛り上がるわけですし、バラエティーも予定調和ばかりではつまりません。
こじるりのようにヤバ級にメンタルの強い人は、破局くらいなんでもありません。『あちこちオードリー』で、素敵な男性に出会ったら「めっちゃ話しかける」「気になる人には、自分から連絡先を聞いちゃうかも」と“肉食”であることを明かしていたこじるり。けろっと立ち直って、次の恋に向かうでしょう。
自分に自信がない、傷つきやすい若者が増えていると言われますが、自分はそちら側だと思う人は、「相手の立場を徹底的に読んだ上で、自分のことは決して責めない」こじるり方式を真似してみるといいかもしれません。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」