約4億円の高級マンションを購入していた
どうやら歩みを進め始めた家族に、新たな変化が訪れたよう。周辺に話を聞くと、冒頭の話が聞こえてきたのだ。
「これまで住んでいたマンションは、'17年に夫婦双方の個人事務所の共同名義で購入。3億円近くする物件でした。ですが、今年の3月に約4億円する高級マンションを購入したんです」(前出・渡部の知人)
佐々木の個人事務所名義で購入したという。転居にはこんな理由があったようで。
「家って、いいコトも悪いコトも、そこにいると思い出してしまうことってありますよね。だから、もう一度やり直そう。家族の新たな出発として、心機一転、転居を決めたんだと思います」(同)
だが、これまで住んでいたマンションは売却していないという。普通なら、次の4億円ものマンションを買うための資金として売却するものだが……。いったいどういうことなのか。住宅コンサルタントでアネシスプランニング株式会社の寺岡孝社長に話を聞いた。
「マンションなどの不動産を売却して得た利益を譲渡所得というのですが、この譲渡所得には所得税と住民税が課されるのです」
所有期間によって課税額が異なってくると、寺岡社長が続ける。
「投資目的での短期売買を防ぐための措置とも言われており、不動産の所有期間が5年以下の短期譲渡の場合は、課税される所得税と住民税を合計した税率が約40%と高く設定されている。例えば3000万円だった物件が5000万円で売れた場合、利益の2000万円に対して約40%の税率が課せられるのです。すなわち800万円ほどを税金として納める必要がある。所有期間が5年を超える長期譲渡では、所得税と住民税を合計した税率は20%ほどに下がります」
渡部一家がこれまで住んでいたマンションを購入したのは4年前のこと。
「当面は誰かに貸して、5年が過ぎた以降に売ることを考えているのかもしれませんね。所有している物件の立地がよければ、後々に不動産価格が上昇していく可能性も十分にありえますから」(寺岡社長)
家族の再出発のための大きな出費。もしかしたら少しでも抑えたいと考える“主夫の知恵”かも。
家事や育児は渡部の仕事。息子が保育園に行ってる間は自由時間だが、本屋でこんな姿が目撃されて。
「店内で座って、ビジネス書を一生懸命読みこんでいましたよ」(居合わせた客)
失った信頼を取り戻そうと、家族のために、本の知識をたくわえているのか――。