ワクチン接種に関するご事情も影響か

 一方で、雅子皇后のご体調を懸念する声もあったが、これまでも大きな行事などでは予定に合わせて何か月も前からご体調を整えるように務められてきたことから、杞憂(きゆう)に過ぎない。

 皇居での御養蚕も美智子上皇后陛下から受け継がれて、今年で2年目を迎えられた「給桑」作業も笑顔で行なわれたという。

 愛子内親王殿下が育てられた蚕も大きく成長して、写真が公開される予定だ。

 7月3日には、オンラインによる宮崎県の「国民文化祭」と「全国障害者・文化祭みやざき大会」開会式に笑顔でご出席された。

 御所内でも人とお会いになる機会は多いが、皇后はいまだ1回目のワクチンを打たれていないというから、驚いた。ある元宮内庁関係者は、ワクチン接種が遅くなったこともご出席のお気持ちをとどめてしまったのではないかと指摘する。

 ワクチン接種は個人情報だというお考えから、象徴というお立場の陛下だけが、7月6日にお住いの赤坂御所で受けられたと公表された。 

「陛下のワクチンですら、打つのが遅いという向きがあります。2回目が大会の直前となるのはいかがなものでしょうか。ご高齢の皇族方を優先されて、今回のスケジュールとなったわけですが、陛下の慮(おもんぱか)るお気持ちを説得して早く打っていただきたいと進言する人が周囲にいないのではないかと思いました」(前述元宮内庁関係者)

 両陛下は、東京五輪大会の前には、皇居・宮殿でバッハ会長ら国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーや各国首脳との面会を行われる予定だ。

 今回の陛下の五輪開会式へのご臨席と雅子皇后ご欠席は、外国首脳たちの欠席が増えているという動きも鑑みて、6月には宮内庁の中で決まっていたといわれる。

 そして、6月24日の西村泰彦宮内庁長官の「拝察」会見へとつながった。