第61回 鈴木保奈美
とんねるず・石橋貴明と女優・鈴木保奈美が離婚を発表しました。離婚理由については「子育てが一段落した事を機に 今後は所属事務所社長と所属俳優として 新たなパートナーシップを築いて参ります」とコメントしています。
7月18日放送『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、コメンテーターの松本人志が「ちょっとだけ羨ましい」「この年でひとりになるのは、オトコのロマン」と発言しています。MCの東野幸治は「60歳ぐらいのときに、妻と別れて次の恋とか、最後の恋をって思う気持ちはあるもんですか?」とゲストの武田鉄矢にたずねるなど、誰も何も言っていないのに「石橋が離婚したがっていた」かのように言われていたのが気になりました。
これは「男女の関係性の選択権は男性にある」という日本の男尊女卑的な思考がベースにあることに加え、石橋がスターだからだと思うのです。スターに群がる女性は多いでしょうし、その女性の中から誰を選ぶのかは、スターの胸先三寸です。
しかし、カップルになることと、カップルとしてうまくいくかどうかは全く別の問題です。もしカップルが長いスパンでうまくやっていきたいと思うなら、ポイントになるのは、結婚した時のパワーバランスが保てるかどうかではないでしょうか。男女どちらが“上”でもいいのですが、格差が急激に開き、その差が埋められないと、うまくいかなくなる確率が上がるように思うのです。
夫が大出世すると、妻の存在意義が薄れる
石橋の2回の結婚を振り返ってみましょう。
『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)を経て、芸能界入りした石橋はスター街道を走りだします。元モデルの一般人女性と結婚し、女優・石橋穂乃香をもうけますが、結婚中も石橋は他の女性との交際をにおわせる発言をしています。初婚妻にとっては女性問題も頭痛のタネだったかもしれませんが、仕事面でも金銭面でもスケールが大きくなっていくと、一般人である妻の出る幕はなくなるでしょう。
日本では「夫を出世させるのは、妻の役目」という意識が強いですが、実際は「夫が大出世すると、夫婦として協力することがなくなり、妻の存在意義が薄れてしまう」のではないでしょうか。夫が世に出られたら、自分は喜んで身を引くという殊勝な人なら別ですが、一緒にいたいと思うのなら、妻側もステップアップして格差を埋めることは必要でしょう。