《マットレス巻きにして殺しちゃった事件とかあったじゃないですか、そんなことやってたし、跳び箱の中に入れたりとか。小道具には事欠かなくて、マットの上からジャンピング・ニーパットやったりとかさー。あれはヤバイよね、きっとね(笑)》
耳を疑うような所業を嬉々として語る者、そしてそれに対して“問題ない”と判断し、そのまま掲載する雑誌があった。それは'90年代のこと……。
五輪の開会式担当となり
多くの人に知られることに
冒頭の引用は「いじめ紀行」なる企画で、ミュージシャンの小山田圭吾が語っていたものだ。時を経て、これらの発言がオリンピックという世界的イベントを巻き込んだ大騒動となっている。
「東京五輪開会式の音楽担当の1人だったミュージシャンの小山田圭吾さんが、過去にしていたインタビューでの発言がネット上で拡散。大炎上し、結果的に担当を辞任するに至りました。
いじめの内容がひどかったのはもちろんですが、何よりその対象が障害を持っている人だったことが批判の対象になりました。障害者に優しく出来ないというのは、オリパラの精神に著しく反していますからね。“なぜそんな人物が、開会式の音楽を担当しているのか?”と疑問の声が噴出するのは想像に難くありません」(スポーツ紙記者)
問題となった発言は、『ロッキング・オン・ジャパン』'94年1月号と『クイック・ジャパン』('95年3号)で掲載されたインタビュー。小山田は両誌で凄惨ないじめを告白していた。冒頭の小山田の発言は『クイック・ジャパン』。こちらの“暴行”は小学校のクラブ活動時のもので、相手は障害のある同級生に対してだった――。
「今回、問題となった雑誌での発言は、“(笑)”が散見するなどあきらかに楽しそうに自身のいじめについて話しており、聞き手側もそれを煽るような発言をしています。どちらの雑誌も'90年代の発売であり、ネット上では以前からたびたび問題となっていました。
そのため発言があったこと自体は知っている人は少なからずいましたが、五輪の開会式担当となったことで、世間一般にも知られる形に。拡散後、小山田さんは謝罪文を発表しましたが、謝罪になっていないとさらなる炎上を招いた。その時点では辞任せず音楽担当を続けるとしたことも炎上の一因となりました」(出版関係者)
7月19日、小山田は“遅すぎた辞任”を発表。問題となった雑誌の出版元であるロッキング・オン社と太田出版も、謝罪文を発表するなど対応に追われた。
太田出版が発行していた雑誌『クイック・ジャパン』の取り上げ方は、「いじめ紀行」という連載企画で、いじめっ子・いじめられっ子の“両者”に話を聞くというものだった。そこで、今回の問題についてもっとも“当事者”といえる人物に話を聞いた。