年の差婚であってもうまくいくポイント
芸能界の「年の差婚」と言えば、ザ・ドリフターズの加藤茶と妻であるタレント・加藤綾菜夫妻が有名でしょう。45歳という年の差から、結婚当初は「金目当て」とバッシングされましたが、今ではおしどり夫婦としてのイメージを固めています。
しかし、2016年11月23日放送の『モシモノふたり』(フジテレビ系)を見る限り、結構な苦労があったのではないかと思えるのです。同番組で二人は熱海の貸別荘に出かけます。別荘で料理をするので買い物をしますが、加藤茶は荷物を持たない。料理も手伝わない。「おいしい」とは言うものの、積極的に会話をすることもなく、テレビを見ているだけ。お風呂嫌いの茶は、天然温泉なのに髪もカラダも洗わず、お尻だけ洗って出てきてしまう。綾菜に向かって、彼女のルックスを「下の中くらい」と言ったりもしたそうです。
買い物や料理の手伝いをしない、会話も適当、妻の外見をほめないというあたり、典型的な「昭和のおじいさん」ですが、そもそもスターというのは自分以外に興味がない生き物ものなのかもしれません。番組内で綾菜は「ちーたん(※筆者注:加藤茶のこと)おらんかったら、生きてけん」と話していましたが、社会人経験のないまま専業主婦となった綾菜にとって、加藤茶の死は愛する夫だけでなく、経済的な基盤を失うことを意味しています。
しかし、加藤茶がパーキンソン病を患い、綾菜が献身的に介護したことで関係性が変わってきたようです。7月23日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した夫妻によると、綾菜は介護の資格を取り、タレント業と並行して介護の仕事を始めます。綾菜が健康に気を使った食事を出してくれるおかげで茶の血圧も安定し、茶は「(綾菜が)こんなにかゆいところに手が届くことをしてくれるなんて、想像もつかなかった。こんなに元気になりました」と話しています。妻側がほどよく仕事をし、加齢や老化を夫婦の味方につけられれば、年の差婚であってもうまくいくのでしょう。
最後に、カップルの寿命に影響があるものとして、倫理観の一致を上げたいと思います。倫理観が強ければいいというわけではなく、二人がだいたい同じ倫理観を持っていることがポイントではないでしょうか。
石橋&保奈美もそうですが、市村&篠原も不倫略奪婚の可能性が指摘されています。仮に略奪であったとしても、当事者全員が納得する形で折り合いをつけられるのなら、他人がとやかく言う必要はないでしょう。しかし、ひとつ言えることは、不倫略奪婚することに躊躇がない人は、自分中心にものを考える傾向があるので、自分にとってメリットがなくなったら、迷うことなく好きに飛び立ってしまうということ。
若い妻をもらったからといって浮かれていると、しっぺ返しを食らうこともある。世の男性は、少し覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」