お笑いタレントの陣内智則(47)、歌舞伎俳優の市川猿之助(45)、タレントの野々村真(57)、AKB48のメンバーら、新型コロナウイルス感染者が続く芸能界。
そのさなか、政府が発表した新型コロナ患者の治療をめぐる方針転換。ニュースを聞いた芸能プロダクション幹部は、
「困る芸能人は多いと思いますよ」
と表情を曇らせた。
簡単に入院できなくなった芸能人
政府は、入院対象者を重症者や重症化リスクの高い患者に限定し自宅療養を基本とする方針を打ち出し、東京都も政府に追従し、入院の判断基準を改定することを決めた。
そのことがなぜ、芸能人を困らせるのか?
前出・芸能プロダクション幹部が解説する。
「芸能人は健康には敏感ですから、大抵の人がかかりつけ医をちゃんと持っていて、いざというときにわりと便宜をはかってもらえる環境にあるのです。なかにはプライベートドクターと契約している人もいる。舞台の公演中に体調が悪くなれば、夜中でも診察してもらったりできるのはそのためです。歯の調子が悪い芸能人が、深夜診療を受けるケースもありますよ。そうじゃないと、翌日の公演に影響してしまうからです。
一般の方が、100か所もの病院に受け入れを拒否されたり、救急車で2時間もたらいまわしにされたというニュースもありましたが、セイフティーネットを常日頃から張っている芸能人なら、そんな心配はありませんでした。でも今後は違う。一般の方と同じことが芸能人にも起こりうるということです。感染した芸能人が、重症化リスクがないにもかかわらず簡単に入院できていたら、それこそ世間様に申し訳ないですからね」
さらに次のように、“非公開芸能人”の増加を示唆する。
「芸能人が感染したことを公表するのは、仕事先に迷惑をかけているからです。もし、スケジュールのタイミングが長期休暇中だとしたら、あえて公開しませんよ。
今後は、感染したとしても、女優の石原さとみさんのように“非公開芸能人”が増えるのではないでしょうか。中等症であっても、その重症度の判断は医師の個別の診断に任されるわけですから、感染したことや具体的症状を公表しなければ、かかりつけ医の判断で、入院できるかどうかはどうにでもなりますからね」
政府の方向転換に、メディアプロデューサーの残間里江子さんは、レギュラー出演しているTBSラジオ『生島ヒロシのおはよう一直線』で、「お手上げなんでしょうね」と指摘。「菅(義偉)総理の目はもう死んでますよね。どこを向いているのかわからない、宙を浮いている感じですもんね」と憐れんだ。
死に体ならぬ“死んだ目”の菅総理が決断した方針転換。政治家が感染したときも国民と同じように区分けされるのか。気になるところだ。
〈取材・文/薮入うらら〉