「もじくんは、僕の中ではすごく難しかったです。原作を読んで“こういう柔らかい子をやるんだ”ってイメージはできたんですが、沖田監督から“原作を意識せず、細田君らしくやってほしい”と言われまして。そうなってくると、“自分らしくやるって何だろう?”という問題にぶち当たってしまって……。(上白石)萌歌ちゃんに本当に引っ張っていただきました。何よりの感謝です」
女の子としゃべるときには緊張します
水泳部の美波(上白石萌歌)はある日、書道部のもじくん(細田佳央太)とアニメ作品で意気投合。もじくんの家で発見したお札をきっかけに、生き別れた父親を探し始める。どちらかといえば、まだギリギリ子ども。そんな高校生のひと夏の冒険、成長、そして淡い恋心……。出演映画『子供はわかってあげない』が全国公開に。
「もじくんは、どんな子でも受け入れられるやさしさを持った子。人を拒否するところから始まらない。僕はあんなにやさしくないって言ったらアレかもしれないけど(笑)、自分にはないものを持っているので、うらやましいなと思います」
美波ともじくん。2人のやりとりは可愛らしく、さわやかで温か。高校時代にあんな恋愛をしたかった、と思う人も多いはず。
「わかります! めちゃくちゃわかります!! 出会い方もいいし、すごく憧れます。ただ僕自身、恋愛シーンに慣れてないので、すごく恥ずかしくて。照れつつではありました」
実際はどんな高校生だった? 本作のような素敵な恋愛も?
「ほど遠かったですよ(笑)。根本が人見知りなので。マスクして、前髪は目が隠れるくらい伸ばして、人から話しかけられないようなオーラを出してました。“コワイ”って言われてましたね。今では申し訳なく思ってますけど」
ハキハキと快活に話すその姿からは想像ができないが、
「本当に仲よくなると、すごくよくしゃべるんですけど。ずっと男の子とばかりつるんできたので、まだ今でも、女の子としゃべるときには緊張する自覚はあります(笑)」
前クールのドラマ『ドラゴン桜』では、昆虫好きの原健太役を好演し、話題に。
「日曜劇場の枠に出ることが僕にとっては夢だったので。それが叶えられたって喜びとともに、“本当にうれしい”と感じることがすごく多かったですね。同世代の子たちに囲まれての撮影はすごく刺激になりましたし、役者としての自信にはつながっているんだろうなと思います」
大きかった反響を振り返る。
「ただ、あくまで、一緒にあの時にお芝居をした阿部(寛)さんや(志田)彩良ちゃんなど、キャストのみなさんに支えていただいたからできあがった健太なので。みんなで作ったものが、いろんな人に褒められたという感覚です。だから、自分的には“よっしゃ―!”みたいな感じはあまりなかったです」