「なんでも許してくれる。だから来てしまう」
待ち合わせに現れた彼氏はミヤ(仮名・23)。ツイッターで知り合った女性に誘われたことがきっかけでトー横に来るようになったが、最近は3か月に1度のペースだという。
「もうその女性もここには来ていないですね。ここは人がどんどん入れ替わります。僕は、ここでの知り合いを“友達”だとは思ってないです。ここでしか会わないし。何しに来るのか?って。それはお酒や会話を楽しむため。あとは(女性の)身体目的。やっているときは楽しい」
だが、ほかの人にはトー横に来るのをすすめないという。
「楽しいけれど、闇に飲まれるのは気をつけています。働いていない人もいて、“別に働かなくてもいいんじゃない?”と思ってしまい、仕事を疎かにしそうになります。ここはやばい。常識がないんです。その反面、なんでも許してくれる。だから来てしまう」
ミヤは、逮捕されたことがあると話してくれた。
「知り合った子と付き合って、性行為していたんですが、その子が17歳だったんです。年齢は知っていましたよ。普通、付き合っていれば、(都青少年健全育成条例違反の)淫行ではないと思うでしょ。警察に、出会って、どのくらいで性行為したのか聞かれました。罰金も取られました。ほんと、身体目的の男もいるんで、彼女には『トー横には行くな』と言っています」
パパ活の斡旋、病んでいくキッズ
5月に、未成年者誘拐の疑いで逮捕された男(20)は、中学2年の女子(13)と性行為もしていた。出会いの場であれば、性行為の機会も多い。この男は再逮捕され、勾留中だ。
「証拠があって立件できる分しか逮捕できていないが、実際はもっとたくさんの子どもを手籠めにしているはずで、余罪を調べています」(警察関係者)
児童買春に絡んだ話もある。近くのホテルに宿泊することも珍しくはない。どうやってホテル代を捻出しているのか。
「家にいることが精神的に苦しくて来ている」と話す女子高生のヨシ(仮名・15)は、「バイトで貯めた費用で泊まっている人もいるとは思うけど。ほとんどの子は、パパ活じゃないかな?」と話す。行き場がなくなった中高生が成人相手に援助交際をしている、ということだ。
「相手はツイッターで見つけているんです。ただ、探すのは女の子ではなく、男子です」
援助交際デリバリー、いわゆる援デリと同じ方法だ。つまり、“客”を探すのは男子で、その“客”と売買春をするのは女の子。男子は、女の子の報酬の中から一部を得る。同じ話は、家出中の、女子高生、ミカ(仮名・15)からも聞いた。
「トー横で知り合った子が、パパ活をさせられていました。誰にさせられているのかは具体的には聞いていないんですが、トー横にいつもいる男です」
NPO法人若者メタルサポート協会の相談員、竹田淳子さんは「誰とつながったのかが大事。基本的につながるのは、心の傷を持った子同士。ただ、そこに声をかけてきた大人たちに搾取されたりします。ちゃんとした大人につながればいいのですが」と話す。