『27時間テレビ』に代わるフジの本気

 フジテレビでは、コロナ禍で昨年、今年と『27時間テレビ』の放送はなかったものの『ラフ&ミュージック』は『27時間テレビ』に代わる、お祭り感、特別感満載の番組になったのは間違いないようだ。

ただ、これまで『27時間テレビ』を盛り上げてきたたけしさん、明石家さんまさん(66)、タモリさん(76)の“お笑いBIG3”の出演はありませんでした。テレビ各局では現在、13~49歳のコア層と呼ばれる若い層の“コア視聴率”を重視しています。

 さんまさんはまだコア層にも支持されていますが、たけしさんではコア視聴率は取れない、と言われて久しいですからね」(制作会社関係者)

 8月27日の『デイリー新潮』では、たけしの元で10年ほどマネージャーを務めた男性が8月末で退社すると報じている。男性は3年前の「オフィス北野」からの独立騒動でも、たけし本人からマネージャーを務めてほしいと声がかかった人物で、たけしが設立した新会社「T.Nゴン」でも役員を務めていたという。

2018年春の独立以降、数々の騒動が報じられていますし、ギャラが超高額にもかかわらず、コア視聴率が取れないため、たけしさんがリストラ危機にあるという記事もたびたび出ています。

 一方、ダウンタウンの番組は世帯視聴率はそれほどよくありませんが、コア視聴率は堅調。そして内村さんといえば、言わずと知れた『イッテQ!』MCですからね。同番組は、1週間の全局の全番組で最もコア視聴率が高い番組です」(前出の制作会社関係者)

『ラフ&ミュージック』の平均世帯視聴率は第1夜が8.7%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、第2夜が9.2%だった。

「世帯視聴率は2桁に達しなかったわけですが、コア視聴率では第1夜が7.0%、第2夜が7.5%と高い数字を記録しています。ちなみにこの日の『イッテQ!』のコア視聴率は8.9%と、やはりかなり高い数字をたたき出しています」(前同)

『ラフ&ミュージック』はこのコア視聴率から考えても大成功したと言える。

「松本さんも内村さんも50代後半のベテランですが、若者にまだまだ訴求力がある。今のお笑い界の事実上のトップと言えるでしょうね。今回の『ラフ&ミュージック』でわかったのは、お笑い界のトップが完全に交代したということ。

 テレビ局が求めているコア視聴率を持っているのが松本さんと内村さんの2人で、その下には2人より若手の芸人が続く、という構図です。そして、コア視聴率がほしい番組には、たけしさんは残念ながら求められていない。

『ラフ&ミュージック』は“たけし切り”を断行し、松本さんと内村さんを頂点とした芸人の若返りを図るという意図もあったのではないか、ともささやかれていますね」(同)