曲をつくるだけでなく、覚えるのにも苦労したという。
「僕は物覚えが悪かったので、作家さんが書いてくださった歌詞をなかなか覚えられなくて……。カメラの横にずっと歌詞のカンペを出してもらっていましたが、NGがすごく多かった。ほかの出演者よりも、断然多かったですね」
収録は、丸1日かけて行われていた。『B‐RAP』の出演者たちは、大部屋の楽屋に集められた。
「土曜の夜から日曜の夜でしたが、僕は何テイクも撮り直して、みなさんに迷惑をかけていたので、ほかの人の撮影が終わるのを待っていました。当時の僕は体重が42kg、体脂肪率2%のガリガリだったので、スタジオはすごく寒く感じたことを覚えています。放送では手元はあまり映っていませんが、震えながら歌っていました」
歌う前、意気込みや曲のテーマなどをモニター越しのV6メンバーとやりとりするのもコーナーの定番。尾崎のキャラクターに爆笑していたV6が印象的だったが、これも何テイクも収録していた。
「ディレクターに、だいたいの流れを書いた紙を渡されましたが、そのとおりにはならなかったですね。ディレクターが気に入らないと止められて、何テイクも撮り直しました」
それでも『B‐RAPリクエストアワード』という投票企画で1位を獲得するほどの人気だった尾崎は、歌以外にも出番が与えられた。V6の坂本昌行、井ノ原快彦とのミニコントに、MISIAをもじった名前で個性的なキャラのMUSIA(ムーシャ)とともに参加した。
「コントの内容は、おそらく、坂本さんと井ノ原さんはスタッフさんと打ち合わせをしていたと思いますが、僕たちはアドリブでした」
坂本から「頑張っているな!」
尾崎の“アドリブ演技”にはV6からも褒め言葉がかけられた。
「坂本さんに“ちゃんと演技してるな! 頑張っているのが見えるよ”と褒めていただけてうれしかったです。“おい、MUSIA! 豆はもうちゃんと演技に入ってるよ!”と、MUSIAをイジるようなことも言っていましたね」
夏休みをとるみのもんたの、代理MCにも抜擢された。
「MCをやると聞いたときはすごく嬉しかった。でも、“次のコーナーはこのコーナーです!”と言う以外、あまり喋らせてもらえなくて寂しかったですね。せっかくの機会なので、喋りたかったです」
悔しさを滲ませるも、この収録をきっかけに、突如ギャラがアップしたという。
「最初は1万円でしたが、代理MCのときから急に3万円になり、その後ずっと3万円でした。特にお知らせなどはなく、いつの間にか振り込まれる金額が増えていたんです」
増えたのはギャラだけでなく……。