遭難するとお金がかかる
(3)持ち物と服装を整える
「“すぐ帰ってこられる”と、日帰り登山では十分な準備をしていない人が多いのですがこれは危ない。必ずヘッドランプは持っていってください」
もしライトを持たずに森の中で暗くなってしまったら下山は不可能、その時点で遭難する可能性は高くなる。
服装も重要だ。中には薄着にサンダルで富士山を登る人もいるというが……。
「雨で服が濡れると夏でも低体温症になります」
(4)エスケープルートの確保
孫と一緒に登山を考えている中高年もいるだろう。
「子どもたちは最初、元気ですが、途中でパタリと動けなくなってしまいます。なんとか頑張らせようとしても動けなくなってからでは対応できなくなってしまう。そのため、エスケープルートを確保しておくことが大切です」
どこまで行けば安全に休憩をとれるのか。頂上まで登ったら下りる手段がある、ケーブルカーやバスが通っているといったようにいざというときのルートを確認しておく。大人だけの登山よりも入念な下調べをする必要がある。
子どもたちからは目を離さず、走ったりふざけたりしないように伝えることも重要だ。
(5)遭難するとお金がかかることも知っておく
消防や警察の山岳救助隊は公的な機関のため救助の費用は発生しないが……。
「ただし、公的な救助隊だけでは捜索できないことがあります。そのときは各都道府県の山岳連盟などにある捜索対策協議会のメンバーが仕事を休んで捜索にあたります」
メンバーの日当、交通費、保険代など1人当たり1日5万~10万円ほどかかることもある。
「人数と日数をかけた金額を請求されます。高い山には公の救助隊があるんですが、低い山は地元の団体にお願いをするケースが多いので遭難して救助をお願いした場合はお金がかかります」