睡眠時は要注意

「寒い日の外出時や、屋外での仕事にあったかインナーを利用するのはよいと思います。ただし、帰宅してからは着替えるべき。汗をかきやすい睡眠時に着用するのは絶対にやめましょう

 最近はフリース素材のパジャマを愛用している人もいますが、汗を吸わないという点では同じ。寝るときには、天然素材の着とパジャマが基本です」

 また、汗腺が発達していない子どもがあったかインナーを着用する際も注意が必要だ。

子どもは大人に比べて体温が高く、頻繁に汗をかきます。綿や絹の着は吸湿性と通気性にすぐれていますが、化学繊維の着ではこれらの機能が弱く、熱がこもりやすくなってしまいます。そのためうまく体温調節ができず、汗をかけない体質になってしまうことも。最近は、汗が出にくいせいで熱中症になる子どもも増えています」

刺激を受けやすいデリケートゾーン

 化学繊維の着によるトラブルは、あったかインナーに限らない。生理用ショーツやガードルをはく女性に多いのが「摩擦黒皮症」だ。

「おもにナイロンなどの素材による摩擦刺激で発症します。皮膚が黒ずんで、ひどくなるとゴワゴワ硬くなってしまいます」

 内ももや陰部は皮膚がやわらかく、繊維の刺激を受けやすい。生理用ショーツなどは防水機能が必要なため化学繊維が多用されがちだが、経血が少ない日には皮膚に触れる内側の生地に天然素材をあてることで、ずいぶんとトラブルは軽減するそう。

「これからの季節はが乾燥し、ますますかゆみを感じやすくなります。素材だけでなく、身体をしめつけない下着を選ぶことも大切です

 いま女性のあいだで静かなブームとなっている「ふんどし」。身体をしめつけない下着として最適だ。

 先月、フリーアナウンサーの新井恵理那が、インスタグラムで「マイふんどし」を公開して話題に。テレビ番組では、ふんどしを着用して寝ることがマイブームだと明かしていた。

新井恵理那アナが自身のインスタで紹介した「マイふんどし」
新井恵理那アナが自身のインスタで紹介した「マイふんどし」
【写真】新井恵理那アナが愛用している「マイふんどし」

 抗加齢医学専門医の田中佳先生も、長年ふんどしを愛用し続けているという。

「以前、トランクスをはいているときはゴムのしめつけなどでかゆみを感じることがありましたが、ふんどしは本当に快適。最近は女性用もいろいろなデザインのものが発売されています。ふんどしという言葉に抵抗がある女性もいるらしく(笑)、このごろは空気パンツと呼ばれることもあるようです」(田中先生、以下同)

 ためしにネットで検索してみると、その商品の豊富さに驚く。ほとんどがリネンやガーゼなどのやわらかいコットン素材でできており、ひものついた昔ながらの「ふんどし」から、ショーツに近いデザインまでさまざまだ。

「ふんどしならなんでもいいというわけではなく、しめつけ感のないものを選ぶことが大切です。ひもがあまりに細すぎると、身体にくいこんでしまうことも。適度な太さのひもがついた、ゆったりとしたものがよいですね」