朝ドラでヒロインの妹役を演じると…
では昨今、どういう女優が朝ドラヒロインに選ばれるようになったのか?
カトリーヌさんは、「実は、NHKには“朝ドラポイント”なるもの存在するのでは?」と推測する。
「最近の例でいちばんポイントが高いのは朝ドラでヒロインの妹役を演じること。『まれ』('15年前期)でヒロインを演じた土屋太鳳さんは『花子とアン』('14年前期)で、『とと姉ちゃん』('16年前期)の高畑充希さんは『ごちそうさん』('13年前期)で、『おちょやん』('20年後期)の杉咲花さんは『とと姉ちゃん』で、『おかえりモネ』('21年前期)の清原果耶さんは『なつぞら』('19年前期)で……というふうにみなさんこの条件を満たし、朝ドラ出演から数年でヒロインの座を得ています。
ほかにもポイントとして加算されると思われるのが、朝ドラの家族&友人役、大河ドラマへの出演、ほかのNHKドラマやBSプレミアムドラマのヒロイン、NHK地方局制作ドラマのヒロイン、そしてBS時代劇への出演などです。
特に時代劇はポイント2倍的な感じもある(笑)。ご年配の視聴者への顔見世的な意味と、ベテラン俳優さんに揉まれて経験値を上げさせる意味もあるのではないでしょうか。朝ドラの現場自体、ベテランが多いですから。そして、これらのポイントを積み上げた先に、朝ドラヒロインというご褒美が待っているのではと思います」
例えば最も新しい朝ドラヒロイン、『ちむどんどん』('22年前期)の黒島結菜の場合は、朝ドラ『マッサン』('14年後期)でヒロインの娘の友人役を演じたのを皮切りに、大河ドラマ『花燃ゆ』『いだてん』に出演。やや変化球的な時代劇『アシガール』に主演したあと、朝ドラ『スカーレット』(19年後期)ではヒロインの敵役というインパクトのある役柄で話題に。
もちろんほかのNHKドラマや地方局制作ドラマ、BSプレミアムドラマでメインでの出演経験があり、かつドキュメンタリーや紀行番組のナレーションも務めるなど、まさにNHKの申し子的な存在。あとは朝ドラヒロインのお声がかりを待つばかりという状態だったのだ。
以上を踏まえ、朝ドラ『舞いあがれ!』のヒロインを予想すると、鉄板ともいえる大本命が浮き上がってくる。それは……。
「小芝風花さんです。朝ドラに関しては『あさが来た』('15年後期)でヒロインの娘役をやっていますが、それ以外のポイントもスゴい。
BSプレミアムドラマのヒロインを三度もやっていて、話題となった『トクサツガガガ』などNHK総合ドラマでのヒロインも二度。時代劇も『伝七捕物帳2』や『そろばん侍』のヒロインを経験しており、NHK広島制作のドラマのヒロインも二度。ドキュメンタリーや紀行番組でのナレーション経験も多々あり、さらにNHKスペシャルの大型企画『パラレル東京』では主人公の新人女子アナを好演しました。
これだけポイントが貯まっているのに加えて、小芝さんは今回の舞台となる大阪出身。ナチュラルな関西弁も操れるわけですから、こ“のタイミングでヒロインをやらなきゃいつやるの?”という状態で、まさに大本命」
ただ、もちろん対抗馬がいないわけではない。
「森七菜さんは『エール』('20年前期)でヒロインの妹ポイントを獲得。『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』『少年寅次郎』などのNHK総合ドラマにも出演しており、NHKスペシャルのナビゲーターもやっています。さらに大阪生まれの大分育ちという地元ポイントも加算されますが、時代劇経験がないのはマイナス。
そういう意味では11月から放送されるBSプレミアム時代劇『剣樹抄~光圀公と俺~』のヒロイン、松本穂香さんのほうが面白いかも。彼女も大阪出身で、朝ドラ『ひよっこ』('17年前期)でヒロインの友人ポイントを獲得していますし、キャラクターもNHK向き。今後の推され方次第では朝ドラヒロインにたどり着く可能性は十分あると思います」
ほかにも、芦田愛菜、平手友梨奈、浜辺美波、上白石萌歌、今田美桜、吉川愛、恒松祐里などNHKポイントを踏まえた話題の女優候補の名が挙がった。