過激なところも“しっかりやる”
「前提として、平日のワイドショー番組とは違って『サンデー・ジャポン』はバラエティーとしてやっているんです。司会の爆笑問題さんをはじめ、テリー伊藤さんやゲストもバラエティーのメンバーなので、真面目さもあるんだけどそんな硬い感じでもない。
裏番組の『ワイドナショー』(フジテレビ系)が、“タレント出演者の個人の見解です”とお断りを入れていますが、それはむしろサンジャポが元祖。SNSが普及する20年前から、炎上上等じゃないですけど、SNSで盛り上がりそうなことをやっていました。
賛否両論の“否”も多いわけじゃないですか。過去に出演されていた西川史子さんなんかも悪役を買って出るというか、わざと見出しになるようなことも言ったりして。ちょっと過激なところもしっかりやる、というところも含めて、情報エンタメショーなんです」
そう話すのはテレビ解説者でコラムニストの木村隆志さん。賛否の“否”もありながら、ここまで続いている理由をこう分析する。
「最近は批判する文化が広まり、どんどんヒートアップしていっています。サンジャポも槍玉に上がりがちですが、あの番組はもともとそういう番組ですからね(笑)。サンジャポが先駆けというか、だから生き残り続けているのかなと。もし似たような番組があって後発だったら、あそこまでのインパクトは出せなかったのかなと思います。
生放送って本当に難しいんです。今でこそ『バイキング』など討論する番組もありますが、サンジャポはただの討論ではなく、バラエティーとしての“討論ショー”みたいな形になっているので、もっと大変。一見、危なっかしく感じる出演者の発言ですが、差別やハラスメントのような本当にダメなところには触れていない。あのメンバーでバランスよくできているので、20年も続いているんだと思います」(以下カギカッコは木村さん)
若いゲストが多いが、実際、視聴者も若い年齢層狙いなのだろうか。
「幅広いと思います。サンジャポの前に放送されている『サンデーモーニング』は圧倒的な高齢者番組で、TBS的にはそこから流れてくる人もほしいですし、ゲストに気鋭のモデルさんやギャル系、SNSで人気の人たちを入れたり、旬の人を入れることで若い人たちも狙っていきたい。日曜日の昼は数字が取れる時間帯ですし、生放送で時事をいち早く扱えるので、全世代対応型だと思います」