木下議員にも300万円もの歳費が支払われている。

 議員たちが受け取っている“恩恵”は私たちが支払っている税金。不祥事政治家に1円でも渡るのは腹立たしい。

「その権力によって懐に入る金は歳費以上に大きい」

金絡みで逮捕される議員は氷山の一角

 地方議員の政治家秘書を務めていた菅原修二さん(仮名)は恐るべき『政治とカネ』の実態を暴露する。

「かつて自民党の総裁選では“だるま”“レンガ”という隠語がささやかれていました」

 1000万円が入ったウイスキーの箱を“だるま”、500万円の箱を“レンガ”と言っていた。候補者は各会派の有力な議員に“ダルマ〇個”“レンガ〇個”と称して金を渡し、有利になるように働きかけていたという。

「金絡みで逮捕される議員は氷山の一角。基本、表には出ない。あの手この手を駆使して大金を流しているんです」(前出・菅原さん、以下同)

 金銭の受け渡しだと足がつくおそれがあることから、支援者が絵画や骨董品を送ることもあったという。

「支援者からもらったものを指定の店で売却する。すると最初から決められていた金額の現金を受け取れる。これは支援者も店主もグルということ。与野党問わず躊躇することなく賄賂を受け取っている政治家は少なくないです。それに政治家がもらうカニやメロンのような豪華な贈答品は“手土産”にすぎません」

 議員はお金以外にもさまざまな特権がある。行列に並ばずに優遇されるといった些細なことや、その権限で一般人が知りえない情報を調べることもできる。役所への口利きや有権者に対して便宜を図れる権力、それらを手に入れることで感覚が狂っていく。

議員バッジをつけ、どこに行っても“先生”と呼ばれたら“こんなに偉いんだ”と勘違いする」(前出の大谷さん)

 行政も思いのままに操る。

「公共事業の受注など、業者に頼まれて役所に口利きをすることも珍しくありません。その見返りの金額を事業の予算の一部に計上させ、受け取っていた議員もいました」(前出・菅原さん)