私利私欲に走る政治家を選んだのは有権者

 だが、苦い汁を飲むことも。

「高い歳費をもらっても、秘書や事務所スタッフの人件費はじめ自腹を切る場面はたくさんあり、苦労しました。若手は権力もありませんし、辛辣な言葉を浴びせられたこともあります。なにより自分を律し、甘い誘惑とどう向き合っていくかが求められています。私自身、当時は若気の至りや意識が低かったこともあり、不祥事を起こしてしまった。猛省すると政治家を志したときの純粋な思いが甦り、国民に申し訳ない気持ちになりました」(前出・宮崎さん)

 宮崎さんはけじめとして辞職したという。

「崇高な気持ちで政治を行っている人もいます。ですが、変わってしまう人は残念ながらいます」(前出・菅原さん)

 私利私欲のため法を犯す議員も少なくない。しかし、裁判中であってもその資格は剥奪されず、有罪になり、公民権が停止になるまで歳費は支払われ続ける。

「公職選挙法違反の罪で実刑判決を受けた河井案里、克行夫妻がいい例。嫌疑のかかった議員の歳費停止が国会で決まったのは最近のことです」(前出・大谷さん、以下同)

 忘れてはいけないのはこうした政治家を選んだのは私たち有権者だということ。

「同じ轍を踏まないためにもしっかり判断する必要があります。不祥事議員だけでなく、安倍元首相・菅前首相らは在任期間中、文書の改ざんや隠蔽などとんでもない政治をしてきた。そんな政治家にばっかり票を入れてもいいのか。甘い汁を吸ってきた年老いた権力者たちを一掃するためにも非常に大事な選挙です」

 10月31日、衆議院議員選挙の投開票が行われる。

「多くの政治家は地道に活動をしています。候補者の政策や主張をちゃんと聞いてほしい。そして会えれば直接、話をしてください。政治家は有権者の声を聴くのが仕事です」(前出の宮崎さん)

 どんな“未来”を選ぶかは私たちの1票に託されている。