環境を意識した竹素材&定期便
トイレットペーパーといえば、紙の原料となるパルプや再生紙を使用したものがほとんど。ところがその素材にも新しい進化が生まれている。竹でつくったトイレットペーパーの定期便サービス『バンブーロール』(1箱18ロール入り 1800円)だ。
「竹はギネス記録もあるほどに成長の早い植物で、数年で大人の竹になります。生きている竹はCO2の吸収にも優れているため、早いサイクルで収穫、加工、また生えるというサイクルをつくることができる竹という素材の将来性に着目しました」
そう教えてくれたのは、『バンブーロール』を運営するおかえり株式会社代表取締役の松原佳代さん。竹が原料と聞くとややかたい肌触りをイメージしてしまうが、『バンブーロール』は三層構造になっており、無漂白で肌にやさしい設計だ。また、定期便という販売形態も現代ならではで、それぞれの家庭に合わせた周期で自宅に届けてくれる。
「次の配送まで使うペースや量に配慮する習慣ができ、消費の仕方の見直しと節約の意識ができたという声も多いです」(松原さん)
あらゆる方向で進化を続けるトイレットペーパー。業界の今後の展開について、丸富製紙の棚瀬さんはこう語る。
「シャワートイレ用など機能に特化したものも各社で人気ですが、海外には5枚重ねといった厚手のペーパーもあります。既存商品のアップデートはもちろん、女性やお尻に持病のある方、お年寄りや赤ちゃんも安心して使えるなど、ユーザーの細かなニーズに合わせた個性的な商品がどんどん生まれると思いますよ」
かゆいお尻にも手が届くような、トイレットペーパーのさらなる進化が楽しみだ。
(取材・文/吉信 武)
初出:週刊女性2021年11月2日号/Web版は「fumufumu news」に掲載