納采の儀など関連儀式を行わず、皇室離脱時の一時金も受け取られない異例ずくめのご結婚となった眞子さんと小室圭さん。『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)の著作があり、SNSなどで婚活相談に応えているライターの仁科友里さんは、二人の結婚をどう分析するのか──。
「皇室利用をしていない」ことの証明は難しい
秋篠宮家の長女・眞子さまが小室圭氏と結婚し、小室眞子さんとなった後に記者会見をする──。このニュースを聞いたときに、その必要があるのかと私は首をかしげたのでした。
眞子さんは精神科医でNTT東日本関東病院の秋山剛氏に『複雑性PTSD』(複雑性心的外傷後ストレス障害)と診断されています。多くの人の目にさらされる会見自体が大きなストレスになりかねません。それがもとで体調が悪化したら、せっかく結婚にこぎつけたのに新生活に差し障りがあるのではないでしょうか。
秋山医師は、眞子さんの「複雑性PTSD」の原因として、長期間の誹謗中傷をあげています。もしかすると、眞子さんは体調悪化のリスクを引き受けてまでも、それらに対する“誤解”をときたいと考えたのかもしれません。しかし、すべての報道に対して説明することは物理的に不可能だと思いますし、そもそも客観的に事実を証明すること自体、難しいように思うのです。
たとえば、10月26日の会見では、報道陣から文書での「小室さんがアメリカのフォーダム大学に留学したのは、プリンセス・マコの婚約者としての特別待遇ではないか?」との質問に対して、眞子さんと小室さんは二人とも「皇室利用をしていない」と文書で回答しています。
この手の問題で難しいのは「特別扱いされていない」ことを客観的に証明する手段がないことだと思うのです。いくら説明しても、“証拠”がなければ信じないと言う人もいるでしょう。こうなると、眞子さんと小室さんは「きちんと説明したのに、信じてもらえない。誹謗中傷だ」と感じるでしょうし、国民の中には「口ではああ言っているけれど、本当は……」と疑念を持ち続ける人もいるでしょう。
眞子さんは皇室を離れましたが、会見をすることで、皇室に対する国民の信頼が低下したり、皇族と国民が分断されるような結果になってしまうかもしれません。それは、誰にとっても好ましいことと私には思えなかったのです。
しかし、この会見で、重い雲の切れ間から瑞光を見たように感じました。もしかしたら、私たちは眞子さんと小室さんを誤解していたかもしれません。