「昨年『エール』に出演させていただいて、自分が音楽をずっとやってきたことが活かされるような役柄でしたし、紅白歌合戦にも出場したりと素晴らしい経験をさせていただいて。朝ドラに続いて、大河ドラマに出演させていただけるのは憧れでしたし、ミュージカル出身の僕としては、帝国劇場のステージに立つような大きな喜びを感じましたね」
個性的なキャラクターが続々登場する明治編で、のちの初代内閣総理大臣となる伊藤博文を演じている山崎育三郎。憧れの大河ドラマの現場は、最初からとても緊張したと話す。
自身の留学経験を活かして演技
「クランクインしたときはほぼすべて英語で話すシーンということもあり、すごく緊張しました。撮影しているスタジオが、朝ドラの隣だったんです。そこへ約1年間通っていた場所なので、NHKに入ったときのスタジオの匂いや空間を感じたときに、一瞬また『エール』が始まるんじゃないかという感情になりました(笑)。
でも、現場に入ると、やっぱり朝ドラとはまた違う空気感を感じつつも、何とか自然体で演じるよう心がけました」
伊藤博文を演じるにあたり、自身の留学経験が活かされている部分があるという。
「伊藤博文さんはイギリスに留学しましたが、僕自身も高校1年生のときにアメリカに留学しているんです。2000人生徒がいる中で、僕だけアジア人だったのですが、すごく孤独を感じる時間も多かったですし、性格的にも変わった部分もありました。
それを思うと、伊藤さんが見た当時の外国は、カルチャーショックだったろうし、そこでの影響もすごく大きかったと思うんです。そういう部分は自分とリンクしていると思いますし、演じるうえで少なからず留学経験が活かされていると思います」
過去に映画で共演経験もある主演の吉沢亮については、こんな共通点に気づいた。
「吉沢くんは男前ですし好青年ですが、実は栄一と似ていて男くさいんです。僕も朝ドラで“プリンスです”とかやったりしていることもあり、中性的にみられたりするのですが(笑)、こう見えて男くさいタイプ。
というのも、吉沢くんと僕は共通点があって、男4人兄弟なんです。男くさい中で育ってきたので、話していても相性がいいですし、すごく根性もある方。本来の栄一に近いものを持っていて、男から見てもカッコいいなと思います」
伊藤博文ってこんな人
両親からはお札の人と言われましたが、僕が生まれた1986年までの1000円札だったので、見たことがなかったですし、どういう人かピンとこなかったんです。でも、演じていて、年齢関係なく人と人のつながりをすごく意識していて、男くさくフットワークの軽い人だなって。自分がいままでやったことのない役なので、すごく楽しく演じています。