出世作となった単独初主演ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(通称『チェリまほ』・テレビ東京系)で監督を務めた湯浅弘章さんは「ドラマで演じた役柄と一緒」と笑う。
小池栄子とのキスシーン
「一生懸命で素直で、でもちょっと天然なところもあって。そのまんま赤楚くんだなと思いましたね(笑)。第10話で遊園地でデートの練習をするシーンがあるのですが、赤楚くん本人の性格を生かすために直前で “遊んでいればいいから”とアドリブの指示を出したんです。
言葉どおり自由に演じてくれたのですが、彼の素が出過ぎていて、本当に遊園地で遊んでいるようにしか見えないところもあり、そこはさすがに使えなかったです(笑)」
印象的だったシーンはほかにも。
「第3話に赤楚くんが演じる安達が、思いを寄せられている男性に気持ちを伝えるシーンがあったんですけど、安達が勇気を振り絞って必死に気持ちを伝える姿と、赤楚くんが一生懸命役柄を演じる姿が見事にマッチした瞬間がありました。
そこは見ていてゾワッとしましたし、演出家冥利に尽きるシーンでしたね。いい雰囲気で撮影ができていたので作品の仕上がりには自信がありましたが、予想以上の反響があり、赤楚くんも“まさかここまでとは……”と驚いていたようです」
初めて一緒に仕事をしたのは'19年放送のドラマ『わたし旦那をシェアしてた』(日本テレビ系)だったが、図らずも赤楚の“チェリー”な一面を見ることになったという。
「ドラマの現場にもそれほど慣れておらず、フレッシュさがありました。後半に主演の小池栄子さんとのキスシーンがあったのですが、赤楚くんは朝から緊張しまくっていて(笑)。“やばいです、緊張します”と言うので、“そういう一生懸命な感じが役にも出てくると思うし、それもそれでいいと思うよ”と伝えました」(湯浅さん)
本格ブレイク間近だが、前出の田幸さんは今後の彼にこう期待を寄せる。
「自然体に見えて、実は細かく計算して演技しているのが俳優としての魅力ですね。子犬系やイマドキ男子の役柄が続いたので、役者としての幅を広げるためにも影のある役柄を見てみたいです」
地元の人や仕事をしたことがある人たちが口をそろえて絶賛するその“愛され力”があれば、大ブレイク間違いなし‼