山田さんによれば、「一部の古着が暴騰と言えるくらいまで、価格が上がっている」と言う。『マリリン・マンソン』や『グリーン・デイ』などの人気バンドの“バンドTシャツ”は、ここ数年で値上がりし、数万円という額で取引されている。
古着のTシャツが、何万円という価格を付け、それがさらに売れているのだ。それらの理由については、服の買い方、売り方の変化がある。
“キムタク売れ”の裏側
「近年、『メルカリ』の普及で個人間の売買が気軽にできるようになりました。また、『リーバイス』のジーンズに代表される“ヴィンテージ古着”は価格の上昇が続いており、購入して着用しても、価値がほとんど下がらない。むしろ購入価格よりも高値で売却できる可能性もあるので、高価格なヴィンテージ古着にも手を出しやすい環境になっています」(山田さん、以下同)
これまでも何度か日本では古着ブームはあった。以前のブームでも山田さんも話すヴィンテージ古着は高値で取引されてきた。当時のブームでは、'70年代やそれ以前のものなど、かなり古くないと“ヴィンテージ”として捉えられず、高値が付くことはなかった。しかし現在は……。
「価値観の多様化により、これまでヴィンテージとは呼ばれていなかった'90年代以降の古着に価値が認められるようになり、古着市場のバラエティーが豊かになったことも原因と思われます」
“菅田着用”によって今回高値を付けている軍パン。芸能人による“着用”によって値上がりするケースといえば、'90年代以降、その代表格は木村拓哉だろう。彼がドラマで身につけた服やアクセサリーはたちまち高騰。現在でも彼がお気に入りの人気ストリートブランド『シュプリーム』の着用姿をインスタグラムに投稿すると、 それが高騰することも。
「ドラマ『HERO』で着用した『ア・ベイシング・エイプ』のダウンジャケットや、『SMAP×SMAP』で着用した『ナンバーナイン』など、木村拓哉がテレビ番組で着用してネットオークションで価格が高騰したアイテムは数多くありました。
ですが、それは祐真朋樹さんや野口強さんなど、日本を代表するトップスタイリストやドラマの衣装担当スタッフがスタイリングして着用していたと思われます。つまり、木村拓哉さん自身が発信したファッションではないということです」