肌寒い雨が降る11月9日の早朝。帽子を目深にかぶり、蛍光色のウインドブレーカーという出で立ちで子どもを連れて自宅マンションから出てきたのは熊田曜子だ。
彼女はこの後、東京地裁で夫であるA氏と“直接対決”を控えていた。
「今年5月に熊田さんはAさんから暴行を受けたとして110番通報。その後、所属事務所を通じて、過去にもDVを受けていたことや離婚の意思を表明しました」(スポーツ紙記者)
逮捕されたAさんは暴行を真っ向から否定。事件の背景には熊田の不倫疑惑があったとして、不貞をにおわす音声データの存在をメディアに明かしていた。
「9日は暴行罪に問われたAさんの検察側の証人として、熊田さんが出廷。本人の口から何が語られるのかという注目もあいまって、一般傍聴券の倍率は30倍近くになりました」(同・スポーツ紙記者)
公判は午後1時30分に開廷。検察側が証拠で提出した音声データの再生後、周囲から姿が見えないように遮蔽された状態で熊田が入廷した。
「不倫を徹底的に否定」の方針
「熊田さんは”脳が揺れるぐらいの痛みを感じた“など、涙ながらに被害を訴えていました。事件翌日の午前中に夫婦で話し合いをする約束をしていたものの、熊田さんがママ友の子どもを預かることになり、話し合いができなくなったことで、Aさんが激昂して暴行に至ったそうです」(同・スポーツ紙記者)
しかし、熊田の娘が通うインターナショナルスクールの保護者は、彼女の証言に首を傾げる。
「校内で新型コロナウイルスに感染した生徒がいたことで、事件の前日に休校となりました。熊田さんのほうから知人に“子どもをウチで預かろうか?” と話を持ちかけたと聞いています。家族以外の人との接触をできるだけ避けるように言われていた中で、なぜ積極的にリスクのある行動をとったのかわかりませんね」
公判では、彼女に向けられている不倫疑惑についても完全否定した。
「Aさんの弁護人は“何について話し合う予定でしたか?”と質問したところ、熊田さんは”わかりません”と答えたんです。けれども、事件当日に警察には“夫に不倫を疑われているけれど、いっさいしていません”と話していました。疑惑について触れられたくなかったため”わかりません”と曖昧な回答をしたのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
暴行を認めないAさん同様に、不倫疑惑を認めない熊田。お互い音声などの証拠があるにも関わらず、主張を曲げないのはなぜか。川崎つばさ法律事務所の川畑さやか弁護士は、両者の胸のうちをこう分析する。
「どちらも親権を取ることを視野に入れた作戦でしょう。暴行や不倫を働いた側は親権者を決定する調停で不利になりますからね」
間近に控える離婚裁判で親権を勝ち取るためにも、引き下がるわけにはいかない状況のようだ。
「今回の公判で問われている暴行罪もAさん側が罪を認めれば、略式起訴や罰金などで済み正式な刑事裁判に至らないことがほとんど。それをしなかったということはAさん側は親権等について徹底的に争うという意思の現れではないでしょうか。同じく熊田さんも、今後行われるであろう離婚裁判等で、仮に状況が厳しくなっても不倫を徹底的に否定する可能性が高いと思われます」(川畑弁護士)
今後の裁判の進め方について熊田の代理人弁護士に問い合わたが、期日までに返答はなかった。Aさんの代理人弁護士にも話を聞くと、
「裁判中なので、コメントは控えさせていただきます」
と、多くを語らなかったものの、昨今のメディアでの報じられ方については苦言を呈した。
「テレビやスポーツ新聞で熊田さん側の見解ばかりが事実のように報じられて困惑しています。一般人であるAさんの言い分もしっかり取り上げてほしいです」
夫婦間の話し合いで済んだはずが、ドロ沼裁判にまで発展してしまった。完全決着にはしばらく時間がかかりそうだ。