(1) 父さんはコメディリリーフ(笑わせる役どころ)にしやすいから
(2) 近年は40~50代の男優に人気者が多いための見せ場作り
(3) 変な父を、ヒロインにとって「自分はしっかりしなきゃ」という反面教師的存在とするため
(4) 父が大事にしてきたことをヒロインが受け継ぐという価値観への理解・共有・継承の意味合い
……という感じ。いかがでしょうか? 少なくとも、若い女性が主人公になることの多い朝ドラでは、お父さんの存在がカギとなっていること自体が、一種の“約束ごと”になっているのは確かなようです。今後も朝ドラのお父さんには注目です。
法則2:ヒロインはムチャしがち(特に物語序盤)
『カムカムエヴリバディ』では、自転車が得意でない安子(上白石萌音)が、恋心を寄せる稔(松村北斗)の元へ、フラフラしながら自転車に乗り、転倒しかける、というシーンがありましたね。朝ドラではヒロインが、こうしたムチャをするシーンが、特に物語の序盤に登場するという法則があります。
過去の作品で、この“ムチャ”の典型例となっていたのが「高い木へ登ること」と「水(川、池、海)に落ちること」。これについては一昨年、筆者が構成を担当した『朝ドラ100作』を記念した特別番組でも俎上に乗り、実際、番組でも検証してみました。
「ヒロインの木登りシーン」については、第6作『おはなはん』で初登場。以下、確認できただけでも第36作『はね駒』、第56作『あぐり』、第58作『天うらら』、第74作『純情きらり』、第80作『つばさ』、第90作『花子とアン』、第93作『あさが来た』と8作もありました。
「ヒロインが水に落ちるシーン」のほうも、第46作『君の名は』、第67作『まんてん』、第76作『どんど晴れ』、第83作『てっぱん』、第88作『あまちゃん』、第89作『ごちそうさん』、第91作『マッサン』、第94作『とと姉ちゃん』と、こちらも8作で登場。
このほかにも、高い所から大雪の上に落ちる第17作『雲のじゅうたん』のように、ヒロインがムチャなことをして、危ない目に遭うというシーンは、確かに朝ドラの物語の序盤によく登場します。
これについて番組で取材したところ、実際に朝ドラの制作担当経験のあるプロデューサー氏はこう答えてくれました。