全部ウソのつくり話
黒岩町長は「全部ウソのつくり話。誤解されるような行動もゼロです」と完全否定した上で、新井元町議の主張をめぐる不自然さを指摘する。
「訴えてきたと思ったら、強制性交等罪ではなく強制わいせつ罪という。最初は肉体関係を持って嬉しかったなどと言っていたはずなのに、いつの間にか犯されたに変わり、こんどは触られたと主張をコロコロ変えている。そんなことが通りますか?」(黒岩町長)
新井元町議は最初に告発した電子書籍の中で、
《私、新井祥子は平成27(2015)年1月8日、町長室にて黒岩信忠町長と肉体関係を持ちました。以上のことを、深く反省し、告白いたします》(※カッコ内は編集部加筆)
とする署名、捺印入りの直筆文を掲載している。
これまでの取材に対し、新井元町議は政治家として黒岩町長に憧れを持っていたものの決して性行為には同意していないと訴え、反省したのは公的財産である町長室での出来事だからだと説明してきた。
しかし、肉体関係を持ったとする表現は、それが無理やりであれば強制性交等容疑にあたると考えるのが自然だろう。
肉体関係ではなかったのか。
「性被害に遭ったときはパニックになっていますし、被害状況を明確にするのは難しいところもありました。ただ、服の上から触られただけではありません。デリケートな部分を触られたりいろいろされたわけですから。電子書籍内では『肉体関係』という言葉を使っていますが、同意なく関係を持たされた意味でそう書いたんです」(新井元町議)
新井元町議によると、性被害に遭ったことを認めたくない気持ちがあり、詳細を語ることはなかなかできなかった。ただ「レイプされた」と言ったことはないという。確かにこれまでのインタビュー取材では、具体的な被害について「性交」を語ることはなかった。
両者の言い分は真っ二つ。しかし、新井元町議は強制わいせつ容疑での告訴にあたり、事件当日にボイスレコーダーをポケットに忍ばせて隠し録りしたとする音声データを公開した。雑音混じりで聴きにくいが、犯行直前とする町長との会話が録音されている。
「町長は、町長室のドアはいつも開けているので密室ではなかったと主張していますが、ドアをノックする音が入っていることから閉まっていたと考えられます。さらに前副町長(当時の副町長)も同席していたと言いますが、前副町長の声は入っていません。私を“しょうこちゃん”と呼ぶ声も録音されている。そんな愛称で呼ぶはずがないと言っていたのに、いくつものウソがわかる録音です」
と新井元町議は話す。
一方、黒岩町長はこう反論する。