単純に「父親が田村正和さんみたいな顔だったら」という票だけではなく、時折見せる激烈なまでの家族への愛情も人気の要因のひとつ。ドラマウォッチャー&コラムニストの吉田潮さんも、
「鏡竜太郎以外にも、第8位の『パパとなっちゃん』(TBS系'91年)で田村さんが演じた志村五郎は、とにかく怒鳴ったり、娘とケンカしたりすることが多いけど、見せ方がうまかったですよね。
子どもの幼少期から嫁ぐまでのシーンを毎回順に見せていくなど、田村正和さんの感情が伝わるようなドラマだった」
と評する。
好きと嫌いは表裏一体
続く、第3位は『池中玄太80キロ』(日本テレビ系'80年~)。西田敏行が演じた池中玄太に対しては、
「再婚相手の連れ子にもあれだけ親身に接してくれる人なら、自分の子どもに対してはなおさらだと思います」(岡山県66歳 パート)
「子どもと同じ目線でいて、包み込む優しさがあった」(愛知県65歳 専業主婦)
と、人間味のある父親像に共感の声が多数。こうしてみると、昭和の父親強し! という気もするが、実は今回のアンケート、「逆にこんな父親はイヤだというキャラクターは誰?」とも聞いている。
そのワンツーフィニッシュを飾ったのが、なんと『北の国から』の黒板五郎&『池中玄太80キロ』の池中玄太。
五郎には、
「自分の勝手な考えで田舎に連れていかれた子どもたちの気持ちを考えると、こんな親は絶対にムリ」(和歌山県44歳 パート)
玄太に対しては、
「知性がなくて熱量がありすぎる人は苦手なので」(東京都71歳 専業主婦)
などなど、散々な言われようのふたり。
「五郎は妻に浮気され、子どもを連れて北海道へ移住という強硬手段だったし、玄太は血のつながらない親子だったがシングルファーザーとして娘3人を意固地になって育てる話。
どちらも独善的でがんこな父親だけど血の通った、心根は温かい人。言葉が足りない、直情的なだけで、子どものことを愛してやまない。それだけに賛否が分かれるのも納得(笑)」(吉田さん)