“昭和の親父像”からの変化
ドラマキャラ 理想の父親ランキング<6〜10位>
第6位『過保護のカホコ』 根本正高(時任三郎) 84票
第7位『青天を衝け』 渋沢市郎右衛門(小林薫) 81票
第8位『パパとなっちゃん』 志村五郎(田村正和さん) 74票
第9位『親バカ青春白書』 小比賀太郎(ムロツヨシ) 63票
第10位『カムカムエヴリバディ』 雉真千吉(段田安則) 60票
(票は複数回答)
4位以下、中位に名を連ねるのは、『おかえりモネ』(NHK'21年)の永浦耕治(内野聖陽)、『1リットルの涙』(フジテレビ系'05年)の池内瑞生(陣内孝則)、『過保護のカホコ』(日本テレビ系'17年)の根本正高(時任三郎)。
「モネちゃんのことを本当に考えていて、亭主関白ではなく奥さんに優しいところ」(大阪府53歳 専業主婦)
「正高は子どもに対して甘いんじゃないかな、と思ってしまうくらい優しい人」(東京都45歳 専業主婦)
彼らに共通するのは、昭和の父親像とは違い、子どもに寄り添うよき理解者ということ。
こうした点を踏まえ、前出の吉田さんは、「愛があったとしても、大声で怒鳴りちらしたり、早く嫁にいけだのといった男尊女卑発言をする父親像は、受け入れられなくなってきた気がする」と語り、こう続ける。
「個人的には、『デート』(フジテレビ系'15年)で杏の父を演じた松重豊は、現代的な理想の父親だったと思います。娘の人生と性格を何よりも尊重し、配慮と思いやりがある。
また、『義母と娘のブルース』(TBS系'18年)で父親を演じた竹野内豊も素晴らしかった。自身が余命宣告を受けると、ひとり娘を優秀な女性(綾瀬はるか)に託す知恵と行動力。父親としての最善を尽くした姿は印象的」
第7位には、『青天を衝け』(NHK'21年)で栄一の父・渋沢市郎右衛門(小林薫)がランクイン。
「最後には子どもの意思を尊重して、やりたいようにやらせてくれるところ」(兵庫県71歳 パート)
といった感想が寄せられているように、栄一を送り出すシーンは、同ドラマ屈指の名シーンとして記憶に新しい。
「この時代、農家の長男が家業を継がずに、好きなことをするのはありえないこと。背中を押してあげるだけではなく、立派になった息子に対して感謝と敬意を口にする点も寛大さを表していますよね。
大河や朝ドラでは、自分の子どもに対して尊敬を口にする父親はあまり出てこない。それだけに小林薫の市郎右衛門は父親像として、とても新鮮に見えた」(吉田さん)