カズが那須川天心とも引き合わせて
「大晦日のイベントというのは、選手だけでなく格闘技ファンにとっても特別な舞台。“貴重な出場枠を、こんな選手に……”という声が上がってしまっていたのも、無理はありません」(格闘技関係者)
そんな批判的な意見を、見事にはねのけてみせた。試合後のリングで、本人もこう語っている。
「批判の声、誹謗中傷もあったんですが、徐々に応援のメッセージも増えて力になりました。お父さん、お母さん、小さいときはいっぱい迷惑かけたけど、初めての試合を見に来てくれてありがとう」
マイクパフォーマンスまで、初試合の19歳とは思えない落ち着きよう。すでに大物感が漂っているが“カズの息子”として期待されるプレッシャーは計り知れない。それを察してか、父も陰ながら支えていたようで……。
「大晦日の出場について聞いたときにはカズさんもさすがに驚いたそうですが“やるからには頑張れ”と応援して、デビュー前から孝太くんが大ファンだった元プロボクサーでK-1選手の渡辺一久さんや『RIZIN』のスター選手である那須川天心くんとも引き合わせたそう」(スポーツライター)
『RIZIN』の榊原信行CEOも「ポテンシャル、DNAは最高」と語るなど期待の星となっている孝太だが、実戦はまだ1試合、それも1ラウンドのみ。本当に、今後の活躍が期待できる精神や実力を備えているのか……。格闘技ライターの布施鋼治さんに話を聞いた。
「まず率直な印象としては、振る舞いや言動の好感度が高かった。いわゆる“2世”の人って高飛車とか悪い意味での“おぼっちゃま”のようなイメージがありますけど、孝太選手はむしろその真逆。相手を無闇に煽るようなこともまったくしない、好青年でした」
気になる実力面はというと……。
「試合自体のレベルで言うと、孝太選手も対戦相手も総合格闘技のプロの試合は初ということで、そこまで高いレベルを求めてはいけない試合だと思います。ただ、それを踏まえて言うのであれば“持ってる選手”だなと思いました。ラウンドの終了間際に、三浦一家のヒストリーをオーバーラップさせるような決まり手で試合を終わらせた。展開も含め、非常に持ってるなあと」(布施さん)