日本では「女性が尽くしたり、へりくだれば、夫婦はうまくいく」という考え方がいまだに強いようですが、カップルで大事なのは、バランスだと私は思っています。妻にだけ極端に負担がかかったり、夫が大出世して社会的地位に格差が生じたときに「妻のおかげだ」と感謝できるといいのですが、実際は「あいつならどうせやってくれるだろう」と妻をナメたり、浮気を始めたりする話はよく聞きます。
完璧に夫の尻ぬぐいをしてしまう妻は、次第に子どもの人生を支配するようになると前出・斎藤医師は述べています。やはり、リターンのない「夫のため」はほどほどにしたほうがいいのではないでしょうか。
頑張りすぎてしまう完璧妻はどうすべきか?
それでは、いつのまにか頑張りすぎてしまう完璧妻はどうしたらいいのでしょうか。臨床心理士の信田さよ子氏は『夫婦の関係を見て子は育つ』(梧桐書院)において、「私」を主語にして話す、アイメッセージを紹介しています。たとえば「夫が話を聞いてくれない」というのではなく、「私はさみしい(その理由は夫が話を聞いてくれないから)」と、自分がどう感じているかを絶えず意識する習慣をつけることを進めています。
以下は私の勝手な解釈ですが、「夫が話を聞いてくれない」と思うと、デキる妻たちは「話を聞かせよう」と頑張ってしまうでしょうが、他人はそう簡単に変えられません。そうすると、デキる妻たちは夫に話を聞いてもらうために、夫の機嫌を取るようになってしまうのではないでしょうか。これでは、また“やりすぎ”が始まってしまいます。しかし、「私はさみしい」と自分の気持ちを自覚できたなら、解消する手段は無数に見つけることができるでしょう。
1月7日放送の『ひるおび!』(TBS系)に出演した三田サンはお正月の過ごし方を聞かれて、「お正月は実母のお墓の前で心の大掃除をしまして。これから自分を大切に、三男も成人しましたので、これからは小欲知足の精神で、一生懸命勉強してお仕事がんばりますので、今年も『ひるおび!』よろしくお願いいたします」とコメントしたのでした。
すわ離婚か! とみる人もいるでしょうが、私はそうは思いません。自分を主語にすることで、三田サンはますます強くなり、成駒屋になくてはならない人になるでしょう。3人のお子さんたちも三田サンの味方ではないでしょうか。前時代の価値観で、浮気ばっかりしている芝翫のほうがヤバいぞ! と言いたい気持ちになるのでした。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」