魔法使いをやりたい!

 男社会である警察組織の中でなめられまくりの風呂光。辞職を考えていた中、整との出会いによって刑事としての信念を取り戻し、成長を遂げていく。そんな風呂光と伊藤自身についてを尋ねると、

「責任感は似てないと思います。私はあまり責任感のあるタイプではないので(笑)。

 でも放っておけないところは、もしかしたらちょっと似てるかも?あるシーンで高いところから落ちても風呂光は心配させまいと“受け身を取ったから大丈夫です!!”って言うんですよね。

 すっごく可愛いなって思うし、そんなところが似てる!!(笑)


 子役からキャリアをスタートさせ、今ではメインを張る実力派に。『2021年ブレイク女優ランキング』(オリコン)では堂々の1位に。

 兄はお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介で、兄妹の愉快なやりとりはたびたびネットニュースにも。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの伊藤に'22年の抱負を聞いてみると、

「今までは“コントをやってみたい” “歌を歌ってみたい”とか言ってましたが、ここに来てもう一段階、お芝居を突き詰めたいなと思っています。

 この『ミステリと言う勿れ』は、結構今まで見たことないタイプの伊藤沙莉だと思うんです。役柄的にも、お芝居的にもいろんなことを抑えていて。私、無意識に変顔しちゃったりするんですが、そういうことはせずに(笑)。そんなふうに自分がトライしたことのないこと、やったことのないことをもっとやりたいなって思います」

 今作は念願の刑事役だが、今後やってみたい役は?

「弁護士のような頭脳明晰な役をやりたいですね。整みたいにすごくセリフが多いと困っちゃうけど(笑)。何かひとつ、すごい才能を持った役とか。あ、魔法とか使いたい!! 魔法使いをやりたいって、ぜひ太文字にしておいてください(笑)」

 取材中、記者やスタッフたちを爆笑させること複数回。愉快で自由でチャーミング。間違いなく、愛され女優だ。

原作者・田村由美からの言葉

 原作コミックは、『BASARA』『7SEEDS』などでも知られる田村由美。累計発行部数1300万部を突破している。撮影現場で何回も会ったそうだが、伊藤が演じる風呂光について何か言葉はかけられた?

「自分で言うのはアレなんですが、“風呂光を漫画という絵の世界から、ちゃんと生きているひとりの人間にしてくれて本当にありがとう”と言ってくださって。原作モノをやるうえで、そこがいちばん気になるところ。実写化するなら、ちゃんと人間がやる意味が加わらないといけないと思っているので。そこを原作者の方にほめられたのは、すごくうれしかったです」

『ミステリと言う勿れ』毎週月曜夜9時〜(フジテレビ系)放送
『ミステリと言う勿れ』毎週月曜夜9時〜(フジテレビ系)放送